℃-uteでエロ小説!!
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℃-uteのエロ小説を書いていきましょう。
ジャンルは問いません。
みんなでどんどん書こう!! 本来、機械などの潤滑のためにグリースを注入するときに用いる工具を
ヤンキーは浣腸器具として流用しようしていた。
「けへへへ 腹がパンパンになるまでぶち込んでやる。」
ヤンキーはバケツの水をグリースガンで吸い上げノズルの先端を
舞美の肛門へ突き刺し水を注入していった。
クプッ チュル?????
「はあぁぁぁぁぁ!」
「きひひひ バケツの水を全部入れてやるからよ。」
何度も浣腸され舞美の腹部は太鼓腹に膨れ上がった。
「くっくっくっ この腹の膨らみ具合まるで妊婦だぜ。」
グルルルルルル
「うぐっ・・ううっ・・・」
猛烈な便意を催す舞美の下に空になったバケツが置かれ
数台のビデオカメラが設置された。
「よーし ビデオの準備はOKだ。」
ヤンキーたちはうすら笑いを浮かべながらその時を待った。 ギュルルルルル
「ぐっ・・うう・・くっ・・・」
「我慢するのは体に良くないぜ舞美ちゃん。」
「さっさとひり出せよ、楽になるぜ。」
「バッチリ撮って顔出しでネットに流してやるからよ。」
舞美の全身から脂汗が噴き出し尻まで伝って滴となり
下に置いてあったブリキのバケツに落下した。
カン カン カン
「ん・・・はっ・・・くひっ・・・」
プスッ プッ プウ〜〜〜〜〜ッ
排泄を我慢していた舞美の放屁が工場内に響き渡った。
「おい聞いたか、プウ〜〜〜〜〜ッだとよ。」
「ぎゃはははは わはははは ウケるw」
ヤンキーたちは腹を抱えて大笑いした。 おつです。
まさかのスカトロで驚きました。
引き続きがんばってください(^^) プロローグ
新しい朝が来た。今日は目覚まし時計をセットしていない。春休み期間中だから、学校に行く必要はない。まだまだ、好きなだけ寝ていられる。
しかし、いつもと同じ時間になるとつい目が覚めてしまうのは、彼女の癖だ。あまり愉快なものではないが、仕方がない。
「ん…あぁ、まだ七時かぁ…」
彼女は布団の中から顔だけ出して、目覚まし時計の時刻を確認した。せっかくの休みなのだからもっと寝ていたいのに、つい目が覚めてしまった。
「もうちょっと寝よう…」
再び顔を引っ込め、布団の中に潜る。しかし、一度目が覚めてしまったからか、どうにも眠れず、結局十分も経たないうちに、彼女はまた布団から
這い出てしまった。
「暑い」
一言、そう呟いた彼女の風貌は生まれたままの姿、つまりは全裸であった。
季節は春である。全裸で寝ているのは体に悪いような気もするが、彼女は取り立てて意に介してはいないようだ。 >>387
「え、汗かいてるし」
自分の下半身を見た彼女は驚いた。まだ春だというのに、彼女の腿は汗で光っている。
「まあ、いいか」
彼女は汗をタオルで拭うと、暑いと言ったはずなのに、またしても布団を被るのであった。
この全裸の少女の名はハギワラマイという。マイはいつも裸で布団にくるまって寝るのが好きだった。
家に帰って自分の部屋に入り、服を脱いで生まれたままの姿になると、なぜかいつも自分の心が休まり、気分が楽になる気がする。
普段は表に出せない、抑圧されていた自分の感情を解き放てる気になる。そして裸になって解き放った時、マイはたまらない快感を覚えるのだ。
昔は『もしこの姿を誰かに見られたら』などと不安になったりもしたが、今はそれより解放感と安心感の方が先に来るようになった。
だから、マイはこの行為をやめられない。 >>388
そして、マイは裸に布団を被ったままの姿で窓の外を見る。何をするでもなく、ただぼんやりと外の景色を眺める。
マイはこの時間がお気に入りだった。この時間だけは絶対に誰にも邪魔をされたくないから、彼女は自分の部屋に鍵をかけることにしていた。
マイは布団にくるまったまま、壁のカレンダーを見た。新学期の始業式が明後日に迫っている。もっと休みを楽しんでいたいのに、日程は
それを許してくれそうにない。
「学校行きたくないなぁ…」
新学期になると、マイは進級して高校二年生になる。クラス変えによってまた、新しいクラスに入ることになる。マイはそれが苦痛だった。
彼女は友達を作るのが下手だった。だから、友達が多い方ではない。新しいクラスに入ったら、少ない友達とも散り散りになって、また周囲が
知らない人だらけになる。そうなると、再び一から人間関係を構築しなくてはいけなくなる…
マイはそれが嫌だった。 >>389
中学生のころ、マイは随分と学校でいじめられていた。
あまりにもいじめられ過ぎて、マイは明日が来なければいいと思うこともあった。
せっかくの数少ない友人に冷たい態度を取って、友人を傷つけてしまったこともあった。その友人に対しては今も申し訳ない気持ちを持っているが、
マイはそれを言えないままであったから、自然と、その友人とは疎遠になってしまった。
いじめられるのが嫌で、マイは登校拒否をするようになった。
親があの手この手で『学校に行かなくてもいいような方法で』マイに勉強をさせて、何とか高校にはギリギリのところで進学できた。もっとも、マイの
成績はその年の合格者の中で一番下だった。
それ故周囲の人々に『こんな成績でよくこの高校に入れた』などと言われたものだから、マイの心はまた傷ついてしまった。 >>390
そんな過去があるから、マイは学校という場所が好きではなかった。内心では別に行かなくてもいいと思っているのだが、ここまでマイを育てた親や、
周囲の人々に対して悪いと思っているから、渋々行っているだけだ。
彼女にとって学校とは、ただ『嫌々行っているところ』でしかなかった。だから、彼女は部活動や生徒会活動にもほとんど興味がない。授業が終われば
さっさと一人で家に帰る。
時々、一人でどこかに遊びに行くことがあるが、それ以外の時間を彼女は専らこの部屋で布団を被って過ごしている。高校生になる時に新調してもらった
ノートパソコンが彼女の最大の友達だ。寝る間際まで、彼女は布団を被ったままノートパソコンの前で時間を過ごす…
もちろん、裸で。 >>391
他人を避けるような生活をするようになって随分と経つ。でも、マイは今更それを変えるような勇気など持っていない。
今だって十分ストレスが溜まる生活をしているのだから、これ以上ストレスを溜めるようなマネはしたくない…というのが彼女の本音だった。
「いいよ、別に今のままで。今だって全然楽しくないけど、今より悪くなるんだったら、今の方がいい…」
マイはそんなことを考えながら、布団の中からぼんやりと窓の外を見ていた。外は綺麗な青空が広がっていて、朝の光がまぶしい。
時々、目の前の道路を人や車が通過していく。
大きな音を立てて、一台の車がマイの見ている風景にフレームインしてきた。ピンク色のクーペだった。よほど急いでいるのか、その車は猛スピードで、
マイの目の前からフレームアウトしていった。
「スピード違反でしょ、あれ」
再び誰もいなくなった道路を眺めながら、マイはそんなことを呟いた。もちろん、ピンク色のクーペの運転手が誰であるかなど、気にも留めることはなかった。 >>392
第1話『新生活』
いつもの朝と同じように、目覚まし時計が大きな音で鳴り響く。ベッドの中から伸びた右手がそれを止める。どんなに大きな音を出す目覚まし時計でも、
鳴った瞬間に反射的に止められるようでは、さほど意味を持たないようだ。
しばらく経って、別の場所にある目覚まし時計が、先の目覚まし時計よりも大きな音を立てる。先の目覚まし時計が止められた際の『保険』だ。
「あぁ…もう少し寝てたいのに」
部屋の主は女であった。彼女の髪は寝起き故かボサボサになっており、『乱れている』という表現がふさわしい状況になっていた。その乱れた髪のまま
彼女はのそのそとベッドから這い出て、鳴り続ける目覚まし時計のところまで歩み寄った。
ボタンを押し、何気なく時計の針を見る。時計の針は午前七時二十分を指していた。
「…え!?」
部屋の主の表情が変わった。一気に眠気が覚めたようだ。どうやら、彼女は寝坊をしてしまったようである。
「ウソ!?ヤバっ!」
もっと早く起きなければいけない日だったのに、いきなり寝坊をしてしまった。彼女は青ざめた顔で、大慌てで出かける準備を始めた… >>393
二十分後。化粧もそこそこに、ゴミ袋片手に家の鍵を閉める彼女の姿があった。
「急がなきゃ…間に合うかなぁ?」
ドアの横にある家の表札が少し汚れていた。それが目に入った彼女は何気なく表札を指で拭った。手にべっとりと埃が付着した。
「げっ、洗ってる時間ないや…」
鍵を閉めてしまったので家の中に戻るのはめんどくさい。彼女は洗うことをあきらめて、エレベーターで一階まで降りた。
ゴミを捨てると、彼女は駐車場へ急いだ。彼女の愛車は中古で買った、ピンク色のクーペである。昨日、念入りに洗車を済ませたので、
外はピカピカになっていた。
「飛ばすしかないでしょ」
エンジンに火を入れると、彼女はダッシュボードの中からウエットティッシュを取り出し、汚れた手を素早く拭いた。そして、目的地へと
車を走らせた。 >>394
彼女の名前はミチシゲサユミという。サユミはこの春、大学を卒業したばかりであった。大学時代の不規則な生活スタイルが、卒業してもまだ残っていたようで、
今朝はそれで寝坊をしてしまった。
サユミがこれだけ急いでいるのには理由があった。彼女は苦労した末、ある高校の講師として採用されたのである。
今日は高校の入学式であると同時に、サユミにとっても初登校の日だった。
どれだけ遅い"ご出勤"でも、朝の八時には学校に到着していなければならない。ましてや初登校の講師が、初日から遅刻することなど許されない。そのことは
彼女も十分理解していた。理解しているはずだった。なのに…
「バカバカバカ…どうして今日に限って…」
サユミはアクセルを踏みながら、自分のミスを呪った。もっとも、嘆いてももう遅いのだが。 >>395
スピード違反スレスレのスピードで車を走らせたら、何とか八時前に学校に到着した。サユミは大慌てで駐車場に車を止めると、職員室に駆け込んだ。
「おはようございます!」
挨拶をしたサユミが顔を上げると、周囲の教師は冷ややかな目でサユミを見ていた。
「ああ、ミチシゲ先生…遅かったですねぇ…初日からどうしたんだろうって、みんな心配してたんですよ?」
中年の女教師には嫌味を言われた。
「初日から寝坊ですか?男と遊んでたんじゃないのぉ?」
禿げた頭の男教師にはセクハラまがいのことを言われた。
「すいません…以後気をつけます」
サユミは笑顔で受け流していたが、当然、お互いの印象が良いものであるはずはない。その後に設けられた自己紹介の時間で
サユミは―自分なりに―精一杯挨拶をしたが、教師たちの反応は鈍く、お世辞の拍手が聞こえただけであった。 >>396
「じゃあ、今から新入生の受付準備がありますから、ミチシゲ先生はそちらを手伝ってください」
先輩教師に言われるがまま、サユミは最初の仕事をすることになった。やって来る新入生の名前と名簿を確認し、入学式で胸に着けるリボンを渡す仕事だ。
「これから私の教師生活が始まるんだ…」
サユミはリボンの入った大きなダンボール箱を運びながら、少しの不安と、大きな期待を胸に抱いていた。講師の立場だから、担任になれるわけでもなければ、
来年も雇ってもらえるかの保証もない。それでも、ここで頑張れば、またどこか別の学校に拾ってもらえるかもしれない…
いずれにせよ、サユミはこの学校に長くとどまろうという気はなかった。いや、とどまれないことを知っていた、と言うのが正しいか。
「じゃあ、ここで新入生に名前を訊いて、名簿のチェックをして、リボンを渡してください」
サユミは椅子に座って新入生を待った。部屋の外には沢山の新入生たちが待っている。サユミの前に最初の新入生が現れた。
「入学おめでとう。お名前は?」
「アユミ…イシダ、アユミです」
(つづく) >>397
第2話『新入生』
「あ…靴下に、穴開いてる…」
イシダアユミは家を出る前からいきなりブルーな気分になった。せっかくの入学式なのに、手持ちの中から選んだ『一番高級そうな』靴下に穴が開いていたのである。
アユミは慌てて部屋に戻ると、靴下を物色した。しかし、出てくる靴下はどれもボロボロになったものばかりである。
物持ちがいいと言えば聞こえはいいが、言い換えれば貧乏臭いとも言える。
「えーと、確か…校則に…」
彼女は入学前にもらった校則を読み返した。『靴下の色は原則として白色とする』と確かに書かれている。
「どうしよう…靴下がない…」
初日からこんな事態に遭遇するとは思わなかった。仕方なく、アユミは穴の開いていない白靴下の中で、なるだけ『普通そうに見える』ものを選んで履くことにした。
『原則』なのだから、別に他の色でもいいのではないかと思うのだが、アユミはバカ正直…もとい、真面目に規則を解釈し、白い靴下を履き直した。
「じゃあ、行ってきます」
意気揚々と行くはずだった入学式なのに、いきなり出鼻を挫かれた格好になって、アユミの声のトーンは下がり気味になった。 >>406
この学校は中高一貫校である。『中等部』…つまりは中学校から入学した生徒は―普通に勉強すれば―エスカレーター式に高校に進学することができる。
ところが、中にはこの中学校から他の高校を受験する生徒もいる。空いた新入生の枠を補うために入試が行われ、あまり多い人数ではないが、一定数の
生徒が『高等部』…つまりは高校からこの学校に通い始める。
アユミもその一人だった。倍率が七倍を超えるような、難関の入試を"いちかばちか"受験した彼女はワンチャンスを生かして、見事合格を射止めたのであった。
合格の決まった日、アユミは家族総出でお祝いしてもらった。好物の手羽先とスイカが振る舞われ、彼女は幸せの絶頂にいた。
「高校に入ったら、あんなこともしたい、こんなこともしたい…」
アユミは真面目な少女であった。高校に入った自分がしてみたいことのリストを律義に作り、机の一番上、鍵のついた引き出しの中にこっそりと入れた。
それは彼女だけが抱いている、新しい生活での夢であった。 >>407
もっとも、狭い枠を勝ち抜いて合格したはいいが、一つの問題があった。同じ学校から合格した生徒は一人もいなかった。
つまりアユミは、友達のいない状態でこの学校に入学することになったのである。
「うまくやっていけるかなぁ…」
アユミは内心不安だった。友達を作るのは上手な方だ、と自分では思っている。しかし、今まで仲良くなった友達は大抵が小学校の頃からの付き合いだとか、
あるいはその前の幼稚園の頃からの知り合いだったとか、長い年月を経ていた人たちばかりだった。いきなり見ず知らずの世界に放り出されて
―いや、飛び込んだと言う方が正しいか―
自分は一人ぼっちにならないだろうか?アユミはそれを気にしていた。
そんなことを考えながら、アユミは高校に辿り着いた。中へ通されると、若い女教師が名前を訊ねてきた。 >>408
「入学おめでとう。お名前は?」
「アユミ…イシダ、アユミです」
「イシダアユミさんね…うん、名前がある」
そう言うと、女教師は箱の中からリボンを取り出し、アユミに渡した。
「じゃあ、あちらの体育館の中に椅子がありますから、前から順番に座って、待機してください」
アユミは体育館の中に入った。アユミの通っていた中学校のそれよりも大きな体育館は二階、三階まで席が設けられている立派なものだった。
「うわー、すごいなぁ…こんなところに通うんだ、私…」
物珍しさ故か、アユミの視線がキョロキョロと動く。それはハタから見れば『お上りさん』にしか見えない状況であったが、もちろん本人はそのことに気がついてはいない。
「ここに座ろう…」
アユミが律義に前の方の席に座ってから少しして、別の新入生がやって来た。 >>409
「ここ、空いてますか?」
「え?あっ、はい、多分」
その新入生はアユミの隣に座った。物珍しそうにしているアユミを見て、新入生が話しかけてきた。
「あなた、この学校、初めて?」
「は、はい…実は…」
「そうなんだ。私は中学校から通ってるから、体育館しょっちゅう来てるんだ」
「そうなんですか…」
同級生なのだから別に敬語で話す必要もないのだが、初対面なのと『中学から通っている』という言葉に威圧感を感じたか、
アユミは敬語で答えることになった。 >>410
「あなた、お名前は?」
「アユミです…イシダ、アユミといいます…ええと、あなたは?」
「ミズキ、フクムラミズキよ。よろしくね」
「は、はい、よろしく…フクムラ、さん…」
フクムラミズキは笑顔でアユミの手を握ってきた。初対面の人にいきなり手を握られるなんて初めてだったが、アユミはその行為で心が落ち着いた気がした。
高校の新入生たちが集まっていくのを、体育館の外で一人の少女が見ていた。
「今年もいっぱい来るんじゃね…うちはどうしようかなぁ…」 >>411
第3話『一目惚れ』
「今年もいっぱい来るんじゃね…うちはどうしようかなぁ…」
少女は体育館の光景を見ながら、呟いていた。そんな彼女の制服は高校の新入生たちとは―形は似通っているが―色が違う。
高校の制服は菫色のブレザーだが、彼女が着ているブレザーはそれよりも少し赤みのかった紫色のブレザーであった。
それは、この学校の『中等部』…つまりは中学校の制服である。そう、彼女はこの学校の中等部に通う中学生であった。
「うちも受けた方がいいんかなぁ…でもあんまり高い学費はよう払わんよ…きっと」
彼女のしゃべりには特徴があった。それは広島弁が強いということである。中等部に入学してからしばらく経っているが、彼女は未だに広島弁が抜けずにいた。
「リホちゃーん!」
後ろから声がした。リホ、と呼ばれた少女が振り返ると、そこに一人の少女が立っていた。 >>412
「こんなところにいたんだ。みんな探したんだよ?」
「ごめんごめん、ちょっと高等部の入学式の様子が見たかったんよ。ほら」
リホが指差した先には、沢山の新入生たちが体育館の前で並んでいる光景が広がっていた。
「すごいね…メィもいつか、あんなふうになるのかなぁ…」
自分のことを『メィ』と呼んだ少女は、そう言ってリホの方を見た。
「メィちゃんは、このまま高校に上がるつもりなん?」
「わかんない。メィは上がりたいけど…ほら、学費もきついらしいし」
「そうなんよねぇ…うちもあんまり贅沢なことは、よう言わんよ…」
リホはメィと顔を見合わせた。 >>413
「サヤシさーん!タムラさーん!」
遠くで一人の少女の声がした。二人が振り返ると、少女が二人の方へ駆け寄って来た。
「サクラちゃん、どうかした?」
「あっちで先生が呼んでるよ。そろそろ中等部の入学式の準備始めるから来なさいって」
「もうそんな時間か…」
リホは時計を見た。時計の針は朝の九時を過ぎている。中等部の入学式は午前十時からであった。
「そろそろ行こうか」
リホがそう言うと、メィも、そしてサクラも頷いた。その場を去る前に、リホはもう一度体育館の方を見た。 >>414
「こっちに並んでー!」
体育館の前では、名簿をチェックしリボンを渡す係から、新入生を整列させる係に回されたサユミが汗をかきながら列を整理しているところであった。
「いきなりこれかよぉ…化粧が落ちそうなんだけど」
サユミは心の中で泣き言を言っていた。しかし、それを表には出せない。初日から心が折れていたのでは、教師など務まるはずもないからである。
汗をかきながら必死に列を並べている最中であった。ふとさゆみが視線を上げた先に、一人の少女が立っていた。
その少女と目が合った…ような気がした。
そして、その少女は微笑みを浮かべた…ような気がした。
そのまま少女は踵を返して、後ろにいた二人の少女と向こうへ歩いて行った。
「何、あの子!…可愛い…」
サユミは心を掴まれたような衝撃を受けていた。凛とした立ち姿と優しい微笑みがサユミの印象に強く刻まれた。 >>415
「中等部の子かぁ…」
この学校に中等部が存在することはサユミも知っていた。当初サユミが望んだのは中等部の教師の職であった。
しかしそれは叶わず、ちょうど人手が足りなかった高等部の国語科に講師として雇われることになった。
もっとも、サユミにわがままを言うことなどできようはずもない。粘りに粘った末に手に入れた、念願の教師の座だったのだから。
「すいません、これはどっちに並べばいいんですか?」
新入生の一人にそう訊ねられ、サユミの意識は現実に引き戻された。 >>416
「じゃあ、サヤシさんはAグループ、タムラさんはBグループ、オダさんはCグループにそれぞれ行ってください」
講堂の前では、中等部の三人…サヤシリホ・タムラメイミ・オダサクラの三人がそれぞれ持ち場を指示されているところであった。
彼女たちは教師の手伝いとして、新入生の誘導や会場の設営をすることになっていた。
三人がそれぞれ散らばってしばらく経った頃だった。リホの前に、一人の新入生が現れた。
「あの、すいません、トイレどこですか?」
「トイレは正面の入口を出て、右にあります」
リホが場所を教えると、新入生はハスキーな声で
「どうも」
と一言だけ呟いてから、正面入口へと歩き出した。リホは新入生の胸の名札の文字を素早く読み取っていた。
「クドウハルカ…くん、か」
(つづく) で℃-uteは?
新たにやじすずのグロくないやつはじまらないかな >>417
第4話『新入生 Part2』
「うーっ、トイレ、トイレ…」
クドウハルカは焦っていた。家を出る前にちゃんとトイレに行ったはずなのに、またトイレに行きたくなってしまった。外見からはそうは見えないが、
ハルカには意外と緊張する癖があるようだった。
ハルカはトイレの前にやって来た。何のためらいもなく男子用トイレに入った。そう、彼は―名前も、見た目も女の子っぽいが―男の子である。
「ふーっ…」
小便器の前に立ち、彼は真新しい制服のズボンのジッパーを下ろした。ちらりと見える下着はしかし、この年頃の男子にありがちな白いブリーフではなく、
きれいな柄のついた、どこか女っぽいもののようにも見える。
用を足した後でハルカはあることに気がついた。このトイレ、便器の数がやけに少ない。というより、面積が明らかに女子トイレより狭い気がする。
「変だなぁ…」
ハルカはこの学校の生い立ちを知らない。だから、男子トイレの少なさを不審に思った。 >>421
この学校はかつて女子校であった。しかし、数年前からまず高等部の門戸が男子に開放され、その後、中等部も同じように開放されて、現在は男女共学の学校となった。
もっとも『女子校』のイメージがまだ根強く残っているのか、この学校に入学してくる男子の数はまだまだ少ない。
クラスによっては、三十人の女子に対して男子が二、三人しかいないということもある。ハルカはそんなことは知らないまま、この学校に入学してしまったのである。
もっとも、ハルカは別に女の子が嫌いなわけではない。むしろ、好きな方だった。
小学生の頃は男の子と遊ぶ時間よりも女の子と遊ぶ時間の方が長かった。それが普通の友達付き合いだと思っていたから、何の違和感も感じなかった。ハルカは
外見が美しい上にハスキーボイスに特徴があったので、女の子にも人気があった。 >>422
そして、ハルカは早熟な少年であった。というより、女の子たちと過ごす時間が長かったが故に、そうなってしまった面もある。
彼女たちはハルカの未成熟な『青い性』を求め、ハルカは戸惑いながらも、隠されたその一面を彼女たちに見せるようになった。
もっとも、求められているうちに、ハルカにもそれなりの"ヨロコビ"が与えられるようになり、ハルカはそれを甘受していた。
「かわいいよ、ハルちゃん。もっと見せて」
「何か恥ずかしいなぁ…ねぇちゃん、こんなの見て楽しいの?」
「楽しいよ…ハルちゃんが、だんだんオトナの体になってくのを、見るのが楽しいんだよ」 >>423
ハルカはふいに、そんなやりとりを思い出した。体を見られることは恥ずかしかった。いや、今でもまだ恥ずかしい。しかし、見られ続けるうちに体の中が熱くなってくる。
得体の知れない、熱い何かがこみ上げてきて、それがハルカの体を満たすのだ。
そのうちにハルカは目を閉じる。体が熱くなればなるほど、ハルカの中で新しい感覚が目覚めてゆく。それは…
「なんだ、これ…わぁ…きもちいい…ねぇちゃん…きもちいいよ…」
快感、という名の新しい感覚をハルカが知った瞬間だった。
「間もなく入学式が始まります。新入生のみなさんは自分の席についてください。保護者、来賓の方はご自分の席にお戻りください」
そんなアナウンスが聞こえてきた。ハルカの感覚は再び現実に引き戻された。 >>424
「ヤバッ!こんなところで何考えてたんだろ…」
ここは学校である。学校で快感に浸っていてはいけない。こんなところを見られたら、誰に何と言われるか…ハルカは顔が青ざめてしまった。
そそくさと男子トイレを出て自分の席に戻る。結局、ハルカがいた間中、男子トイレには誰も入ってこなかった。
中等部の入学式は滞りなく終了した。クラス分けの紙が貼り出され、ハルカはそれに従って教室に移動した。顔見知りの生徒はいなかったが、
ハルカは―今回は―さほど緊張することもなく、最初のホームルームを終えた。 >>425
何事もなく中学校生活の初日が終わろうとしていた。初日の行事がすべて終わり、下駄箱の周りには下校しようとする生徒たちで混雑している。
しかし、ハルカはその生徒たちとは逆の方向へ歩き出した。今まで行ったことがない、高等部の校舎を見に行ってみたくなったのである。
「こっち行けばいいのかなぁ」
人の多そうな通路とは逆へ逆へ、ハルカは歩き続けた。何だか学校の中を探検しているみたいで、無性に楽しくなってきた。
「へー、こんなところに井戸なんてあるのかぁ」
井戸の前を過ぎ、人のいない教室の横を過ぎ、図書館の横を過ぎると、体育館の裏に辿り着いた。
体育館の裏といえば何かとダーティーなイメージがあるが、この学校はそんなイメージとは無縁で、しっかりと清掃が行き届いている。
ハルカが体育館の裏から表に回った時だった。 >>426
「あれ?ハルちゃん!どうしたの?こんなところで」
ハルカは誰かに呼び止められた。振り返ると、そこにはフクムラミズキと、もう一人の女の子が立っていた。
「あれ?ミズキちゃん…何でここにいんの?」
「言わなかった?ミズキ、高等部に上がったのよ」
隣に立っている少女のことをハルカは知らなかった。相手もハルカのことを知らないようだった。ハルカの姿を認めた二人が歩いてきた。
「紹介するね。同じクラスになった、イシダアユミちゃん」
紹介されたイシダアユミはハルカに会釈をした。
「ど、どうも」
ハルカは初対面のアユミに小声で挨拶した…少々ぶっきらぼうではあったが。
「この子ね、クドウハルカちゃん。私の幼馴染なの」
「そうなんだ…」
「ハルちゃん、中等部に入ったんだね。お互い頑張ろうね」
ミズキはそう言ってハルカの頭を撫でた。ハルカは少し笑ってから、"探検"の続きをしたいと言って去っていった。
ミズキは去っていくハルカの後ろ姿を見ながら、ハルちゃんはいつまでも子供ね、と言って笑う。アユミはそれを隣で聞いて、苦笑いを浮かべていた。 >>427
第5話『ふたり』
時刻は昼過ぎになっていた。既に高等部も中等部も初日の行事はすべて終了し、生徒は全員下校している。
この街の駅前に一軒のクレープ屋がある。あまり大きな店ではない。十五人も入ればいっぱいになるぐらいのスケールだ。フクムラミズキは、この店がお気に入りであった。
私服で店にやってきたミズキは、いつものように店の一番右のテーブルに座る。ここはミズキの『指定席』だ。
別にそう宣言しているわけではないが、店に来た時に他の人が座っているのを見ると、ミズキはなぜか不機嫌になってしまう。
席につくとミズキはメニューも見ずに注文を決めた。モモとパインと生クリームが入ったクレープと、アイスティーを注文する。
この店のクレープで、ミズキが一番好きなものであった。 >>428
注文を済ませるとミズキは腕時計を見た。彼女はここで人を待っていたのだ。しかし、約束の時間から十二分ほど過ぎている。
「また遅刻かぁ…」
ミズキは溜め息をついた。メールを送って急かそうかと思ったが、急かしても急かさなくても遅刻しているのは同じだと思い直して、彼女はそのプランを取り消した。
店の扉が開いた。息を切らしながら一人の少年が入って来た。彼は店の一番右のテーブルを見やる。ミズキの姿を認めると、手を出して『ゴメン』のポーズを取った。
「遅い」
ミズキがそう言うと、少年は赤い野球帽を取って頭を下げた。
「ごめんごめん…バスが遅くなっちゃって」
少年はミズキの前に座ると、チョコとコーンフレークの入ったクレープと、アイスミルクを注文した。
「この間も遅刻したのに…あの時は映画見れなかったし」
「ごめんなさい」
少年は本当に申し訳なさそうな顔でミズキを見る。ミズキは内心怒っていたのだが、彼の表情を見ると怒る気が失せてしまった。
それぐらい申し訳なさそうな顔だったのである。 >>429
「もういいわ。しょうがないから、ミズキが許してあげる」
「ありがと、お嬢様。大好きだよ」
少年の言葉に、ミズキは頬を緩めた。冗談半分とはいえ、こんなことを言われて正直、悪い気はしない。
そこへ、ミズキの注文したクレープとアイスティーが運ばれてきた。アイスティーのグラスにシロップを少し入れながら、ミズキは少年に訊ねた。
「ねえ、これ食べたら、どこ行く?」
「ミズキは…どこ行きたいの?」
少年はあまり自分からは決めようとしない風だった。大抵はまずミズキに話を振って、ミズキの好きなところを選ばせる。ミズキは彼のそんなところが気に入っていた。
「今日は…二人きりになれるところに行きたい気分かも」
「二人きり?いいけど…どこだろ?」
少し視線を宙に浮かせて、少年はあれこれ思案しているようだった。ミズキは彼の次の言葉を待った。彼がミズキの方を見て口を開いた。 >>430
「…ホテル、とか?」
ミズキは飲んでいたアイスティーを噴き出しそうになった。考えた末の結論がそれか、と言いたくもなった。
「バカッ!…もう…」
言いたいことはあれこれあったのに、いざ顔を赤らめながら口を開くとそれだけしか言葉が出てこない。ミズキは恥ずかしさの方が先に立ってしまったのである。
「ごめん…つい…」
「ダメよ。そんなところに行ったってバレたら…怒られちゃうわ…」
「そうだよね…ごめんね。変なこと言って」
少年も下を向いてしまった。
「大丈夫…アカリちゃんの気持ちは…分かってるよ…今度、ね?ミズキの部屋か…アカリちゃんの部屋か…どっちでもいいから…」
ミズキがそう言うと、『アカリちゃん』と呼ばれた少年は、下を向いたまま小さく頷いた。
間の悪いことに、そのタイミングで彼の注文したクレープとアイスミルクが運ばれてきた。ミズキはこの会話が店員に聴かれていなかったか、少し不安になった。 >>431
「ね、これ早く食べて。もう出よ?その後は…アカリちゃんが行きたいところでいいから…ホテル以外、なら」
ミズキがそう言うと、アカリも頷いた。そして彼は、ハイペースでクレープを平らげ、アイスミルクを飲み干すのである。
店を出た二人はどちらからともなく手をつないで歩きだした。お代はミズキが全部払っていたが、アカリはそれに内心申し訳なさを感じていた。
「ちょっと手が汗かいてるね…どうかした?」
アカリの気持ちを掌の様子で察したか、ミズキがそんなことを言った。
「いや…何でもないよ」
アカリはそう言ったが、ミズキはそれがウソであることをすぐ見抜いてしまった。
「ふふっ…アカリちゃん、強がり言ってる…」
そう言われたアカリが恥ずかしそうに頭をかいた。ミズキは手を強く握り直した。そして、アカリの方に体を寄せた。
二人はそこで立ち止まって、しばらくの間、抱き合った。
ミズキはアカリの耳元で何事か囁いた。
アカリもミズキの耳元で何事か囁く。
二人だけの時間がそこにあった。 >>432
ミズキとアカリが手をつないで抱き合い、そして歩いていくのを、一人の少年が見ていた。
「あっ、ミズキちゃん!…あれ…彼氏と一緒だ…
サホちゃん、ミズキちゃんとデートしてるんだ…いいなぁ…」
(つづく) 作者さんは娘。の話書きたいの?群像劇にしても℃メンでなすぎ
できれば℃テコ入れ願います なっきぃの作者さんのが読みたい
なっきぃでもいいし他のメンバーでもいいし >>433
第6話『約束』
ミズキとアカリのデート現場を目撃した少年は、二人がいなくなった後もしばらくその場に立ちすくんでいたが、思い直したようにある場所へ向かった。
そこは駅の改札口であった。彼は手慣れた手つきで改札機にICカードをタッチすると、電車に乗り込んだ。
その電車は快速電車であった。次とその次の駅を通過すると、二駅先の駅で電車は止まった。少年は電車から降りると、南口の改札を出た。
彼は一体どこに向かおうとしているのか…
その答えは、南口からしばらく歩いた場所にあった。少年の目の前に、大きな建物が建っている。そこはこの街で一番大きな総合病院であった。
既に何度も来ているのだろう、多数の病棟が複雑に建ち並んでいるにもかからわず、彼は表示板を見ることもなく、目的の病棟にまっすぐ辿り着いた。
受付で彼は『タケウチアカリ』と名前を書いた。そのまま彼はエレベーターに乗る。エレベーターは六階で止まり、彼は奥の病室へと歩き出す。 >>447
「あら、アカリくん」
少年は声をかけた女性に挨拶をした。
「こんにちは、カメイさん」
どうやら、女性の名前は『カメイさん』というらしい。
「今日もお見舞いですか?」
「はい」
「そう…あの子、ちょっと調子が悪いみたいだから、気をつけてね」
「わかりました。どうも」
カメイさんにお礼を言うと、アカリは病室へと向かった。
六階の一番奥に一人部屋があった。アカリの目的地はこの病室のようだ。入口には『コスガフユカ殿』と書かれている。
アカリはドアをノックした。奥から細い声で返事があった。ドアを開けると、そこにはベッドに横たわる一人の少女がいた。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています