「こんなところにいたんだ。みんな探したんだよ?」
「ごめんごめん、ちょっと高等部の入学式の様子が見たかったんよ。ほら」
リホが指差した先には、沢山の新入生たちが体育館の前で並んでいる光景が広がっていた。
「すごいね…メィもいつか、あんなふうになるのかなぁ…」
自分のことを『メィ』と呼んだ少女は、そう言ってリホの方を見た。
「メィちゃんは、このまま高校に上がるつもりなん?」
「わかんない。メィは上がりたいけど…ほら、学費もきついらしいし」
「そうなんよねぇ…うちもあんまり贅沢なことは、よう言わんよ…」
リホはメィと顔を見合わせた。