>>413
「サヤシさーん!タムラさーん!」
遠くで一人の少女の声がした。二人が振り返ると、少女が二人の方へ駆け寄って来た。
「サクラちゃん、どうかした?」
「あっちで先生が呼んでるよ。そろそろ中等部の入学式の準備始めるから来なさいって」
「もうそんな時間か…」
リホは時計を見た。時計の針は朝の九時を過ぎている。中等部の入学式は午前十時からであった。
「そろそろ行こうか」
リホがそう言うと、メィも、そしてサクラも頷いた。その場を去る前に、リホはもう一度体育館の方を見た。