>>416
「じゃあ、サヤシさんはAグループ、タムラさんはBグループ、オダさんはCグループにそれぞれ行ってください」

講堂の前では、中等部の三人…サヤシリホ・タムラメイミ・オダサクラの三人がそれぞれ持ち場を指示されているところであった。
彼女たちは教師の手伝いとして、新入生の誘導や会場の設営をすることになっていた。

三人がそれぞれ散らばってしばらく経った頃だった。リホの前に、一人の新入生が現れた。
「あの、すいません、トイレどこですか?」
「トイレは正面の入口を出て、右にあります」
リホが場所を教えると、新入生はハスキーな声で
「どうも」
と一言だけ呟いてから、正面入口へと歩き出した。リホは新入生の胸の名札の文字を素早く読み取っていた。


「クドウハルカ…くん、か」
(つづく)