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第6話『約束』

ミズキとアカリのデート現場を目撃した少年は、二人がいなくなった後もしばらくその場に立ちすくんでいたが、思い直したようにある場所へ向かった。

そこは駅の改札口であった。彼は手慣れた手つきで改札機にICカードをタッチすると、電車に乗り込んだ。
その電車は快速電車であった。次とその次の駅を通過すると、二駅先の駅で電車は止まった。少年は電車から降りると、南口の改札を出た。
彼は一体どこに向かおうとしているのか…

その答えは、南口からしばらく歩いた場所にあった。少年の目の前に、大きな建物が建っている。そこはこの街で一番大きな総合病院であった。
既に何度も来ているのだろう、多数の病棟が複雑に建ち並んでいるにもかからわず、彼は表示板を見ることもなく、目的の病棟にまっすぐ辿り着いた。
受付で彼は『タケウチアカリ』と名前を書いた。そのまま彼はエレベーターに乗る。エレベーターは六階で止まり、彼は奥の病室へと歩き出す。