>>453
二人は従兄弟であるが、子どものころからいつも一緒に遊んでいた。だから、ごく自然に兄弟のような関係になった。
アカリが軽口を叩いても、マイミは別に怒らないし、笑って許している。

結局二人は同じ電車に乗り、そして同じ駅で降りることになるのであった。
駅でアカリと別れたマイミは、駅の南口から少し歩いたところにあるマンションに向かって歩を進めた。いつものようにエレベーターで五階まで上がり、部屋の鍵を開ける。

「ただいまー」
返事はない。それも当然だろう。彼と一緒にこの部屋に住んでいる人間は、仕事に出かけていて留守なのだから。