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第8話『生徒会の憂鬱』
「ああもう!何なの全く!嫌になる!」
スズキアイリは自分の部屋で、一人怒鳴っていた。広い部屋なので他人に聞かれる心配はない。心配はないが、彼女の心中は穏やかではなかった。

話は昼に遡る。高等部の生徒会室では、ある話し合いが持たれていた。

「では、生徒会の会議を始めます」
何を隠そう、スズキアイリは高等部の生徒会長であった。生徒会長という立場は文字通り生徒の代表であり、学校に対してあれこれ言うことのできる
強い権限のある立場であるはずである。いや、あるはずなのだ。ところが…
「では、最初の議題は、来月行われる、創立記念式典についてです」
生徒会会議の司会は生徒会副会長が務める習わしになっている。副会長の名前はミヤザキユカという。
―少なくとも表面上は―会長と副会長は友好的な関係に見える…のだが、アイリは内心、ユカを嫌っていた。
逆にユカもまた、アイリを内心…快く思ってはいなかった。