会長と副会長による水面下での冷戦が始まり、生徒会の中はどうにもギクシャクした状態が続くことになった。それがまた、アイリのストレスを余計に増やすことになる。
「今年の創立記念式典も、慣例通りいつもと同じようにすればいいと思うんだけど」
アイリがそう切り出した。ところがユカは違う考えを持っているようだった。
「今年の創立記念式典は記念すべき節目の年なんだし、いつもと違うことをしたらいいんじゃないでしょうか」
「例えば?」
そう訊き返すアイリは、自分の心中が穏やかでないことを感じていた。会議になるといつもこうだ。
大人しく自分の言うことに従えばいいものを、ユカはあれこれ口応えしてくる…