アイリは心の中で、何度も舌打ちをすることになった。会長権限でこの議題をペンディングにして、無理やり議題を先に進めることにした。
次の議題は六月に行われる高等部の文化祭についてだ。
ここでもまた、アイリとユカの意見はことごとく対立することになった。
あまりにも話が噛み合わないので、生徒会書記のイイクボハルナが助け船を出した。
「あのー…今日はもう終わりにしませんか?ほら、もう時間も大分過ぎたし」
時計を見ると終了予定時刻を二十分も過ぎていた。
「議事録は私が適当にまとめておきますから…今日はもう終わりましょう」
ハルナがそう言ったので、アイリとユカの―不毛な―争いはひとまず休戦となった。