>>467
イライラしているうちに、無性に友人の声が聞きたくなった。アイリはリサコのところに電話をかけてみることにした。
「…んあっ…もしもしぃ?」
リサコの声は、完全に寝起きのそれであった。そののんびりとした声を聞いていたら、アイリは何だか気分が随分と楽になった気がした。
「もしもし?リサコ、寝てた?」
「うん…昼寝して今起きたとこぉ」
二人はしばらくの間取り留めのない話に興じた。話し込んでいるうちに、アイリはイライラが収まらなかったさっきまでの自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
そう、結局のところ、持つべきものは友達である…そんな至極当たり前のことを、アイリは一日かかって再認識するのであった。
(つづく)