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サキは、何と意地悪なことを訊くのだろう、と内心思った。最後のチャンスである。入りたいのは山々だが、そうかと言ってここで
『他人を蹴落としてでも入りたい』と言えるだけの度胸は持ち合わせていない。サキは口ごもってしまった。

「どうだい?どう思っているか、答えてくれないか?」

黙っているわけにもいかない、と思ったサキは、おもむろに立ちあがると、口を開いた。そして、自分でも予想していない言葉を喋り出すのである。



「入りたい…入れてください!私を…ナカジマサキを、ここに、入れてください!!」