これはもう、絶対美紀への報告は免れないだろう。美紀も娘から面と向かってこれを聞けば何らかの良識をもった対処をせざるを得まい。
おれは覚悟した。多分美紀は姉である嫁には話さないだろうし、姪にもしっかり口止めするに違いない。しかし、美紀からもうこういうことはやめよう、とか宣告されることが残念だった。
姪におれの部屋へ出入りすることも許すまい。おれは落胆したし、反省のような心境でもあった。
翌土曜日の午後、姪はおれの部屋にやってきた。いつもと変わらぬ姪である。
姪はおれがテレビを見るソファに登り、やはりおれに跨る。今度ははじめから対面だ。
重い重いといつまで見せるおれ。小4の姪に胸の内を見透かされているような後ろめたさを感じつつ、おれは言った。どかないとメラゾーマするぞ。
姪はどかない。たこ焼きパーティーの際、美紀がおれに見せた妖しい笑顔とそっくりの目でおれの目を見据えた。
「ケンちゃん」
なんだよ、とおれ。
「ケンちゃん、昨日何してたん?」