“パパ”と呼んでいた男は、何も言わずにただじっとじゃんゆを見ていました。静寂が立ち込める中、じゃんゆの言葉が続きます。
「パパは……やっぱり、災禍なんだね。じゃんゆが腐る前から、ずっと知ってたんでしょ?
 ……なんで、パパは……ずっと黙ってたんだろう。
 それとも、自分でじゃんゆを壊したくて……?」
 自問自答しながら、じゃんゆは自分の心の中を探りました。
 自分が、パパに騙されていたのか。それとも、パパがじゃんゆを壊すことに純粋な喜びを感じていたのか。どちらにせよ、じゃんゆにとっては許せないことだった。
 心が狂い始めるじゃんゆの姿に、パパはなおも何も言わずにじっと見つめています。その目が、じゃんゆをますます狂わせます。そして、じゃんゆは思い切った行動に出ました。
 パパを押さえ込み、手錠で縛り付けます。そこには、もはや黒騎士とは言えない男がいます。だから、彼を拘束しても、じゃんゆには罪悪感はありません。
 じゃんゆは、パパが置いていった小さな包みを手に取ります。その中には、今回の復讐に必要な物が入っていました。
 準備が整ったじゃんゆは、パパに向かって自信満々に言いました。
「やっぱりね、じゃんゆはもう純粋じゃない……でも、それでもね、パパを壊すことはできるよ。これが、じゃんゆの復讐の刃なんだ。
ね……パパ、じゃんゆが思い通りになったよ」
 パパは黙ったまま、じゃんゆの言葉を聞いています。
 復讐の刃を手にしたじゃんゆの顔は、冷たく、怒りに満ちたものに変わりました。