本当に付き合っているのかな。今も私の片思いなんじゃないかなってずっと思っていた。
サスケくんはいつだって前を、遠くを見ていて、私なんて視界に入っていないんじゃないかって。
だから付き合えるようになったというのも、現実ではないんじゃないかって何度も疑った。
「サクラ、お前を今から抱く」
それはとても唐突な言葉に思えた。
手を繋いだ事もない。キスさえもした事がない。それなのに抱くって、いきなりすぎて頭が意味を処理しきれなかった。
「え……?サスケくんそれってどういう意味…」
「どうもこうも、そのままの意味だ」
「ハグ?」
「………セックスに、決まってるだろ」
布団の上にトサッと、押し倒されて、今までにはない角度からサスケくんを見上げた。
直接的な単語を用いて言葉にされた後も、やっぱり頭が追いつかなくて。
「どうして、急に」
口から零れるのは疑問ばかりだった。
いつも私ばかり。そう思っていたから、ずっと望んでいたはずだった。サスケくんに求められるのを。
その時がきたら絶対にそのまま受け入れる以外の選択肢なんて私にあるはずなかったのに。