『男が痴漢になる理由』(イーストプレス)の著者で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳(あきよし)氏は、勤務する大森榎本クリニック(東京・大田区)で12年間、痴漢を含む1千人超の性犯罪者と向き合い、再発を防ぐ治療プログラムを施している。

斉藤氏が強調するのは、「痴漢の多くは拍子抜けするほど普通の男性」ということ。平凡な30代〜40代の会社員が最も多く、彼らが痴漢に目覚めるきっかけは満員電車で訪れる“偶然の一瞬”にあることを前回記事では伝えた。
痴漢は初犯から再犯、常習化へとエスカレートするうちに、徐々に緊張感や葛藤、罪の意識が薄れ、「認知の歪みが強化されていく」のだという。

「最初は痴漢をやりながらも『これはいけないことなんだ』という認識はあります。でも、痴漢を繰り返すうちに自分が病みつきになっている犯罪行為を正当化しようとします。これが認知の歪みの形成過程です。
例えば、痴漢にあってもなかなか周囲に助けを求めたり、声をあげれない女性は非常に多いのですが、その様子を見て『あ、イヤじゃないんだな』『実は痴漢されたいんでは…』というふうに受け止めるようになる。
このような認知は、行為を繰り返せば繰り返すほど逸脱した方向に歪んでいき、痴漢常習者ともなると『女性専用車両にあえて乗らない女性は全員、痴漢されたがっている』『この女性は痴漢されたくてこの車両にきたんだ』などと自分に都合の良いストーリーを勝手に作り上げてしまう。
そこまでいくと、自分が罪を犯しているという意識がなく、逮捕された瞬間も『なぜ捕まったのだろう?』と一瞬、自身の置かれた状況が理解できない人もいます」

クリニックで治療を受ける常習者のひとりに手帳を見せてもらったところ、そこには痴漢に及んだ回数を示す『正』の字がビッシリと記されていたのだという。

「彼は『1日5人に痴漢する』というノルマを決めていました。また、別の常習者は『今日は仕事を頑張ったから、自分へのご褒美に』と痴漢に及んでいた。罪の意識が薄れ、認知が歪むとここまで病的な状態になってしまうということです」

だが実は、痴漢の多くは性欲を満たすために犯行に及んでいるわけではないという。

「私も最初は『痴漢の動機は性欲だ』と思っていたんです。でも実際に200人以上の常習者にヒアリングしてみると、大半が『別に行為中は性的に興奮したくてやっているわけじゃない』と言います。驚いたのは、多くが『犯行中は勃起すらしていない』と話していたこと」

むしろ「ストレスを瞬間的に忘れさせてくれる」「一瞬の高揚感が忘れられない」「支配欲や征服欲が満たされる」など、性欲とは別の次元で犯行に及んでいる人が圧倒的に多いというのだ。

「もちろん、性的な欲求に突き動かされている常習者も一定層いますが、行為の最中に“スパークする高揚感”を追い求めている人のほうが多いんです。そんな彼らは起きてから寝るまで痴漢のことを考え、ある種、ギャンブル感覚やレジャー感覚で女性の反応を楽しんでいる。
ヒアリングの際、真顔で『痴漢は生きがいです』と語る常習者も複数いました」

続く

以下ソース
http://wpb.shueisha.co.jp/2017/10/22/93497/

★関連板★
■えっちな話題なら”ピンクニュース”
http://mercury.bbspink.com/hnews/
■新作AV情報なら”AV情報+”
http://mercury.bbspink.com/avplus/