貴重な資源であるリンが地球上から枯渇しつつあるという。そして専門家はこの問題をこのまま放置し続けていれば、次世代において世界的な大惨劇を引き起こす可能性があると警告している。
リンは、人間を含む地球上のすべての動植物にとって必須のミネラルである。また採掘されたリン鉱石から製造されるリン酸は肥料に欠かせない成分であり、世界の農業生産を支えている。
問題は、リンは再生不可能な元素であり、今に至っても代替物がなく、なにより採掘される地域が非常に少ないことである。採掘されるリン鉱石の大半は中国、アメリカ、モロッコ、ロシアなどに偏っている。そして世界の農産物需要が増え続ける中で、リンの安定供給は徐々にひっ迫してきているのだ。
40人の専門家による国際的な研究チームは、「この重要な元素を保護するために何もしなければ、この地球上のリンがすぐにでも完全に枯渇する」と警告している。
この50年間において、リン酸肥料の需要は5倍に増加し、世界人口の増加に伴い需要は2050年までに2倍増すると予想されている。迫り来るリン枯渇の危機に対して、産業界、大学、研究機関の科学者たちは、いまだに準備すらできていないと指摘している。
「EU加盟国やアメリカでさえ、グローバルなリン資源を管理する責任を負う世界規模での協力や調整はありません」と研究チームの生態学者、カスパー・レイツェル氏は話す。
「EU水政策枠組み指令、またはアメリカ水質浄化法は、主に生態学的な水質に焦点を当てており、リン資源の持続可能性を十分なレベルで統合していません」(カスパー・レイツェル氏)
リン酸肥料の使用が増加することで土壌や水質にネガティブな影響が及ぶのだが、こうしたリンによる環境汚染を問題視するあまり、現実に需要のあるリンの安定供給についての問題は無視されがちであるということだ。
一説では、現在のリンの消費レベルが続くと80年以内にリン鉱石の埋蔵量が枯渇するという。しかし先の通り今後の需要がさらに増えるとなれば、あと40年しか持たないとする分析もあるようだ。
中にはあと400年は持つという試算もあるが、いずれにしてもほとんどすべてのレポートは、さらなる研究が必要とされている差し迫った問題であることに同意している。リン資源枯渇の問題もまた、我々人類が直面している“待ったなし”の問題であることは確かなのだ。
リン資源枯渇への現実な対処法の筆頭に挙げられるのが消費の削減であることは間違いない。リン酸が少なくて済む肥料の開発や、肥料をあまり使わない農法の開発、そしてリンの効果的なリサイクル方法の開発が鍵を握るものになるだろう。
前述したように“使い捨て”であるリン酸はそのまま土壌と海を汚染していることも問題になっているのだが、研究者たちはリン酸塩を燃料、肥料、または食品として約46回再利用できるリサイクルシステムの構築が可能であると言及している。
現在の貧弱なリンの管理によって、水資源の地球規模の汚染を引き起こしている一方、世界中の食料生産をサポートするためのリン酸肥料への公平なアクセスが達成できないと研究チームは指摘している。発展途上国などでは今後まだまだリン酸肥料の需要が高まるのだ。
これまでの無為無策を挽回するためにも、研究チームは産業界と世界の政府当局に対し、まず国際的なリン管理とクリーンな環境を確保するために協力できる新世代の栄養持続可能性(nutrient sustainability)の専門家の育成を求めている。
「これらの人々は単純なリンの専門家ではなく、リンの管理のあらゆる側面について賢明な意思決定をし、それを知らせることができる“システム思想家”であるべきです」とレイツェル氏は説明する。
続く
以下ソース
https://tocana.jp/2019/10/post_119234_entry.html
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