0001逢いみての… ★
2019/12/07(土) 23:45:56.53ID:CAP_USER* * *
ラグビーのワールドカップで念願のベスト8入りを果たした日本代表チームが掲げたフレーズ、「ONE TEAM」が今年の流行語大賞に選ばれた。多国籍で所属も違う選手たちが一つになってプレーし、日本中を熱狂させたのだから大賞に選出されたのは当然だろう。
ところが、さっそく巷ではそれに便乗する人たちが現れだした。会社では「ONE TEAMになって残業しよう」とか、「ONE TEAMだから飲み会には全員参加しよう」とか言われるようになったとの声をあちこちから聞く。
これまでも、社員一丸となったチームワークの必要性を掲げてきた経営者や管理職は多いが、今後は流行語に便乗して、ますます部下にONE TEAMを強いる上司も増えるだろう。トップがONE TEAMと連呼すれば部長、課長も「右にならえ」で会社全体が一色になる。会社のために己を捨てて一丸となれ、という空気が広がりはしないか。
言葉は独り歩きするものであり、使い方によってはまったく逆の意味をもつようになるのだ。
もともとわが国では、チームと組織・集団とを区別せずに使われることが多い。そしてチームワークといえば「自分を殺す」ことだという思い込みがある。いわゆる滅私奉公や自己犠牲はその延長線上にある。
それをあえてチームワークと呼ぶとすれば、「共同体型」のチームワークである。職場の同僚たちは、たまたま一緒になった人たちであるにもかかわらず、共同体のような一体感と、和や序列を守ることを最優先しなければならない。
このような「共同体型」チームワークは少品種大量生産型の工業社会では通用したものの、IT化やグローバル化によって時代遅れとなった。能力や経験、考え方も似通ったメンバーが、一糸乱れぬ統率のもとに行う仕事の多くは、ITに取って代わられ、あるいは労働力の安い国の人々に委ねられるようになったからである。
チームワークとは本来、自律したメンバーがそれぞれの個性や強みを活かしてチームに貢献するところにある。その象徴がONE TRAMだったと言ってよい。
実際に今回の日本代表チームでは「キックの名手田村優」「俊足の福岡賢樹」「ジャッカルの姫野和樹」というように各選手が持ち味を遺憾なく発揮して勝利をたぐり寄せた。それぞれの容姿もまた、金髪もいればドレッドヘアもいるなど実に個性的だった。それぞれの個性が逆にチームとしての一体感と活力を生み出したのである。
本物のチームワークと形だけのそれを分けるもう一つのポイントは、チームワークの先に何があるかだ。
代表チームの選手たちは年間240日に及ぶ合宿をこなすなど、「すべての時間を犠牲にしてきた」という。しかし、すべては自分たちの夢を実現するためである。夢を実現するため自発的に犠牲を受け入れたのだ。しかも「ワールドカップまで」という限られた期間だから家庭も、楽しみも犠牲にできたのである。
いっぽう普通の会社では、すべてを犠牲にするほどの価値がある見返りが得られるわけではない。はっきり言えば会社のための自己犠牲だ。その事実を棚に上げ、すべてを犠牲にして働き続けることを強いられたら恐ろしい。
要するにラグビーの日本代表チームの場合、個人を活かすためのONE TEAMだったといってよい。そこが普通の会社とは根本的に違うのである。
続く
以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20191207_1504524.html
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