カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は14日、IR担当の内閣府副大臣だった衆院議員の秋元司容疑者(48)を収賄容疑で再逮捕した。

 産経新聞(15日付朝刊)が報じたように、秋元容疑者が、遊技機メーカーやホール業者など、パチンコ関連企業の支援による「選挙丸抱え」であったことは、遊技業界関係者の間では周知のことだった。

 秋元容疑者が昨年12月25日に収賄容疑で逮捕された翌日、特捜部はパチンコ大手ガイア(業界第3位)に家宅捜索を行い、大量の書類・帳簿などを押収した。

 ガイアから、秋元容疑者は毎月20万円の顧問料を受け取っていたとされるものの、業界関係者はこのガサ入れがIR事業をめぐる汚職事件との関係性を理解できず、当惑したという。

 謎解きのキーワードは「パチンコ業界」である。

 昨年の参院選前の5月、東京都内のホテルで自民党比例代表公認候補の尾立源幸元参院議員の「励ます会」が開催された。同氏は鳩山由紀夫元首相の秘書を経て、2004年から旧民主党参院議員を2期務めている。

 ところが、一昨年10月、自民党は当時浪人中の同氏を、二階俊博幹事長主導で昨年7月の参院選公認候補に決定した。件の「励ます会」は尾立氏の選挙に向けた決起集会だったのだ。

 そして、この集会を取り仕切ったのは昨年初頭に設立された全日本遊技産業政治連盟である。いわば「パチンコ族議員」第1号誕生を目指したものといえる(結果は落選)。

 主賓あいさつが二階氏、続いてあいさつしたのは平沢勝栄総務会長代理、秋元容疑者(当時・環境副大臣)。

 逮捕で自民党を離党したが、秋元容疑者は二階派所属だった。先の業界大手ガイアに近いとされる平沢議員も二階派である。

 ちなみに、IR事業参入を企図した中国企業「500ドットコム」丸抱えの秋元容疑者の中国訪問に同行した勝沼栄明元衆院議員、さらにガイアに近いと言われている伊東良孝衆院議員も二階派だ。

 筆者が関心を抱いているのは、森本宏特捜部長が描くIR事業をめぐる汚職事件捜査の終着点である。パチンコ業界との関連で何か特別の疑惑があると見ているのか。

 20日召集された第201回通常国会は、野党が令和2年度本予算審議の過程で「桜を見る会」問題とIR疑惑追及で“大荒れ”必至である。

 そこへ新手のパチンコ疑惑が噴出するようなことになれば、安倍晋三政権の国会運営は容易ならざることになる。

(ジャーナリスト・歳川隆雄)

以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200121/dom2001210001-n1.html

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