緊急事態宣言が全面解除されてから約2週間が経とうとしている。TwitterなどのSNS上では、日常が戻ってきたと喜ぶ声も多い。日本屈指の観光地・京都では5月末から観光客が戻りつつあり、気の緩みが広がっている。

 しかし、京都の夜の街は依然として厳しい状況だ。今回は、祇園のホステスでもある筆者が街の様子をリポートしたい。

 京都といえば鴨川と納涼床。緊急事態宣言下では人がいなかった鴨川にも、地元民や観光客の姿が戻ってきた。緊急事態宣言解除後の5月23日〜24日は、鴨川の河川敷にびっしりと人が座っていたが、6月第1週目の週末は少しまばらな印象だ。

 鴨川の納涼床は5月1日に「床開き」を実施していたものの、実質はほぼ休業中だった。6月に入り、三条―四条間を中心に営業を再開。満席とまではいかないが、客足が戻ってきている。

「自粛中はどこにも買い物に行けなかったから、週末に百貨店めぐりをしました。まだ油断できないから長居はしませんでしたが、久々の買い物でリフレッシュできましたよ」

 そう語ってくれた60代の男性会社員は、夫婦で京都市内の店を複数回ったという。また、別の70代経営者の男性も夫婦揃って外出し、営業を再開したレストランで食事を楽しんだそうだ。

「いつまでも家にいられない。マスクはしているし、もう外に出てもいいでしょ」(70代・男性)

 コメント調査をおこなっていると、60代以降の高齢者層ほど「自分は老い先が短いから、コロナにかかっても気にしない。それよりも経済活動の再開を」という意見が多かった。

 また、奈良県在住の30代男性は、週末を利用して趣味のキャンプ用品を買いに京都へ来たそうだ。

「みんなコロナを怖がっているけど、もう落ち着いてるじゃないですか。奈良にはキャンプ専門店がないから、車で京都に来ました。やっとキャンプができるから楽しみですよ」(30代・男性)

 年代問わず自粛明けの移動・経済活動の再開が広まる一方、夜の街への人々の目はシビアなままだ。

 筆者は現在、ホステスとして祇園のスナックに勤務している。店は3月末から休業していたものの5月に入って閉業が決まり、賃貸契約が切れる6月末まで一時的に営業を再開した。しかし、営業再開と閉業の知らせをSNSに載せたところ、常連客から店にクレームが入る事態となった。

「こんな時期に客を呼ぼうだなんて、何を考えているんだ」

 クレーム主については明かされなかったが、内容としてはそういったものだったと伝えられた。もちろん、東京・歌舞伎町でクラスターが発生した事案を鑑み、「閉店するので、もしよければ……」程度の投稿文であったものの、店の告知をすること自体を嫌う人がいたようだ。

 営業を再開しても1日の来店者数は1人か2人。まったく客が来ない日もあり、閉業作業のついでに営業している状態だ。

 働いていると周りの店の状況も耳に入ってくる。祇園で大きな影響力を持っていた老舗のクラブが閉店を決め、自社ビルを売りに出したとの情報が流れてきた。「あそこがダメなら、もう街全体がダメだ」。同業者の間ではそうささやかれている。

 昼の街に活気が戻りつつある中、夜の街は衰退の一途をたどっている。夜の人間にとっての「元通りの日常」は来るのだろうか。

<取材・文・撮影/倉本菜生>

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1673342

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