戸叶和男【日本奇習紀行】

 世の中には実に変わった性癖を持っている人がいるもので、そうした人々が抱えている想いは、時として「儀式」や「習慣」を生んでしまうことがあるようだ。

「そりゃあね、よその人からすりゃあね、痴漢でしかないだろうよ。けどね、俺らにとっちゃ、れっきとした儀式なの。儀式。わからないかねぇ……」

 西日本のとある地域で行われていたという、祭礼の際の奇妙な行為についてそう語りはじめたのは、当地で生まれ育ち、現在もなお、大手自動車メーカーの下請けで部品の製造を行う小さな工場を経営する填島務さん(仮名・84)。填島さんの話によれば、現在でも毎年行われるという当地の秋祭りにおいて、その昔、にわかに信じ難い行為が、「ご利益がある」とされ、公然と行われていたのだという。

「祭りの日になるとね、とにかく隣近所の集落からも大勢の人が集まってくるからね、前に進むのもやっとなぐらいに混むのよ。要はね、そのどさくさに紛れてさ、自分の気になる女に、こっそりとぶっかけてやるわけ」

 現在でも電車やバスなどの車内で、女性客に対し、ドサクサでこっそりと射精するという痴漢行為を働く不届者は少なからず存在していると聞くが、当地ではそれと似た行為を、祭りの混雑に乗じて行うのだという。しかもその相手というのは、日頃から気になっている意中の女性。無論、当の女性たちからすれば、迷惑でしかない。

「そりゃあね、普通に祭りを楽しんでいるのに、ふと気づいたら変なもんが引っかかってるんだからさ、女からすりゃあ嫌だろうよ(苦笑)。けどね、それを首尾よくやってのけたら、片想いが両想いになるだなんて信じられていたもんだからね、みんなここいらの男たちは、血眼になってシゴいてたもんさ」

 なにやら“ちょっといい昔話”のような口調で、男たちの痴漢行為について上機嫌に語る填島さんだが、今も昔も、こうした行為は明らかな痴漢行為。事実、自らが果てる前に女性に勘付かれでもしたら、その場で袋叩きに遭うのが通例であったという。しかしそれでもこうした不届き千万な行為を働く者は後を絶たなかった。

「あまりに度が過ぎたせいなのか、バレると駐在にしょっ引かれるようになったもんでね、みんなやらなくなっちまった。けど、あれがなかったら、俺だって女房と一緒になれなかったって思うし、またやるようになったらいいんじゃないかって俺は思うんだけどね」

 こうした汚らわしい行為によって、今は亡き愛妻と結ばれたのだと信じて疑わぬ様子の填島さん。本当に縁結びのご利益があるかどうかはともかく、傍目には単なる痴漢でしかない変態行為であるだけに、現代の我々が持つ常識では、とても「またやるようになったらいい」とは思えないのだが……読者諸兄は如何だろうか。

文・取材=戸叶和男

以下ソース
https://tocana.jp/2020/07/post_157777_entry.html

★関連板★
■えっちな話題なら”ピンクニュース”
http://mercury.bbspink.com/hnews/
■新作AV情報なら”AV情報+”
http://mercury.bbspink.com/avplus/