毎日新聞2020年7月6日 08時00分(最終更新 7月6日 12時35分)

 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、鹿児島市で発生したクラスター(感染者集団)が地元で影響を広げている。感染は市内にある1軒の老舗ショーパブから広がったとみられ、デパートが臨時休業に追い込まれたほか、舌戦が続く鹿児島県知事選にも余波が及んでいる。鹿児島県はこれまで感染者数が比較的抑えられてきたが、突然のクラスター発生に行政や企業などが対応に追われている。

 きっかけは今月2日の鹿児島市の記者会見だった。前日、新型コロナへの感染が分かった市内の40代女性の濃厚接触者らを調べたところ、同居男性1人と勤務先の同僚男性7人の感染が確認された。市は男性らの勤務先を、鹿児島を代表する繁華街・天文館地区にある飲食店(ショーパブ)「NEW おだまLee男爵」と公表し、感染が疑われる利用者に帰国者・接触者相談センターに連絡するよう呼びかけた。

 ニュースが流れた2日だけで市民130人からの相談が市に殺到した。県全体で3日に30人、4日には34人の感染者が判明した。県内の感染者数はそれまで11人と低い水準に抑えられていたが、5日時点で98人に急上昇。このうち81人がこの店の関連という異例の事態となった。


https://mainichi.jp/articles/20200705/k00/00m/040/222000c