ワキガの元凶がたった1種類の細菌のせいだとわかりました。

この原因となる細菌は特殊な酵素を使って、人間の汗を食べ、その排泄物として強烈な刺激臭(チオアルコール)を生産していたのです。

原因菌と臭いの生産過程が明らかになったことで、ワキガをはじめとした体臭を効果的に防ぐデオドラント(制汗剤)の開発が進むと期待されます。

しかし、どうして今まで原因となる悪臭生産菌がみつからなかったのでしょうか?

そしてなぜ私たちは、進化の過程で悪臭を捨てられなかったのでしょう。そのナゾを深堀りしていきます。

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ワキガ臭の主成分であるチオアルコールは分子内に硫黄を含んでいる/Credit:wikipedia

これまで体臭の主成分は、本人の汗に含まれる物質が根本的な原因であると思われていました。

すなわち、臭いのは本人そのものが臭いから…とする説です。

しかし近年になって、悪臭の主成分であるチオアルコールが、人間の発する汗そのものには含まれていなかったことが判明しました。

つまり、悪臭は人間の皮膚の内部から汗として発せられているのではなく、皮膚の外に存在する「何者か」が作り出していたのです。

犯人の候補として最初にあがったのは、皮膚の上に住んでいる菌たち…その中でも支配的な数を誇る常在菌でした。

しかし意外なことに、これら支配的な常在菌からは、チオアルコールを生産する能力がみつからなかったのです。

そのため、ワキガと体臭の原因菌探索は行き詰ってしまいます。

ワキガの悪臭を作っていたのは、数の少ないマイナーな菌だった

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常在菌の中でもマイナーな菌がワキガ臭を作っていた/Credit:wikipedia

しかし今回、ヨーク大学のミシェル・ラデン氏らは発想の転換を行いました。

チオアルコールは僅かな量でも強烈な刺激臭(ワキガ臭)がします。

ということは、原因菌を皮膚上における支配的な種に限らなくてもいいのではないか? と考えを改め、幅広い種を調べることにしました。

結果、ラデン氏の直感は大当たりします。

常在菌の中でもマイナーな「Staphylococcus hominis」と呼ばれるブドウ球菌ただ1種のみが、チオアルコール(臭気)を生産していた事実を発見したのです。

これまでの予想では、ワキガや体臭の原因菌は複数存在すると考えられてきましたが、結果は意外にも「単独犯」(しかもマイナー種)だったのです。

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原因菌はたった一つの酵素で汗を悪臭に変えていた/Credit:Scientific Reports

原因菌が特定されると、ラデン氏らは次にチオアルコールの生成メカニズムを調べました。

結果、人間のワキや陰部などの毛穴に存在する、汗腺(アポクリン腺)から分泌される無臭の物質(Cys-Gly-3M3SH)を、原因菌が特殊な酵素(ShPatB)を使って分解し、チオアルコールを生産していることがわかりました。

そこでラデン氏らはこの特殊な酵素の遺伝子を切り取って、他の体臭とは無関係なブドウ球菌に組み込む実験を行いました。

もし酵素を組み込まれた無関係な菌からもチオアルコールが生産されれば、悪臭の原因を1種類の菌の、1種類の酵素活性経路という極めて狭い範囲にまで限定することができます。

実験を行った結果、予想は的中し、酵素遺伝子を組み込まれた菌も汗からチオアルコールを生産するようになりました。

人類を長年悩ませてきたワキガや体臭は、たった1種類のマイナーな常在菌がもつ、たった1つの酵素が原因だったのです。

続く

以下ソース
https://nazology.net/archives/66909

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