戸叶和男【日本奇習紀行 北関東】

 新型コロナウイルスの感染拡大により、全国的に学校が休校となった今年は、その後、ある意味、「やっぱり」というべきなのか、未成年者による妊娠の相談がサポート団体などに多数寄せられることとなったという。しかしこうした若年層の“荒ぶる性”は、いつの時代も同じであったようだ。

「子供ってのは何をやらせてもムチャクチャだからね(苦笑)。だから大人たちがちゃんと面倒みてやらないといけないんだよ」

 かつて北関東のとある地域で行われていたという、未成年者たちによる性行為と、それに対する大人たちの取り組みについてそう語り始めたのは、当地で生まれ育ち、現在も農業を営んでいるという北条健さん(仮名・83)。北条さんの話によると、その昔、当地の大人たちは、子供たち同士があらぬ形で望まない妊娠をしないように、“ある行為”を行っていたという。

「まぁ、なにせサカってる年頃だからね、ちょっと目を離すとすぐに孕んだり、孕ませちゃう。だからそうならないようにね、ちゃんと大人になるまでは、まわりの大人たちが相手してやって、子供同士ではしないように取り決めていたんだよ」

 要は子供同士の性行為を禁止する代わりに、近隣に住む“経験豊富な”大人たちが彼らのセックスの相手をつとめてほどきをし、無事に成人した暁には、晴れて自分の望む相手とのセックスができるというしきたりであるようだ。

「そりゃあもちろん、男も女もそうだよ。だからこのあたりで育った人間は、大抵、隣近所のおじさんやおばさん相手に初めてのことを済ませて、それなりに腕を磨いてから大人になったもんさ」

 そもそも大の大人が子供たち相手に性行為をするということ自体、現代の我々からすれば、にわかに信じ難いこと。しかしその甲斐あってか、当地の子供たちは「性にまつわるトラブルを起こさなかった」(北条さん)というだけに、その是非はともかく、一定の効果はあったようだ。

文・取材=戸叶和男

以下ソース
https://tocana.jp/2020/08/post_167055_entry.html

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