突然じゃない電話なんてない、だけどその電話は本当に突然かかってきたんです。

「矢吹さんすいません、新型コロナ陽性でした……」
 
 その瞬間、僕は“濃厚接触者”に特定されてしまいました。

 僕はカルロス矢吹という名前でライターやイベント制作などを生業としています。これから『“濃厚接触者”に指定されてから2週間をどう過ごしたか?』に関するルポを書きますが、これは誰かを責めるためではなく、「こんなこともあるんだなあ」と読んだ方の参考になればと思い筆を取った次第であります。必ずこういうことが起きる、という訳ではないのであしかず。

 さて、大事なことなので時系列を追って正確に記します。僕に電話をかけてきた人、ここではA氏と呼びましょう。A氏と仕事で接触があったのは、7月27日午前のこと。そして30日の正午過ぎに、彼から冒頭の電話がかかってきて、新型コロナに感染した旨が告げられました。

 実はA氏は7月第4週に体調を崩し、発熱も伴っていたため、念のため自腹でPCR検査を受診。その時点では医師から“陰性”のお墨付きをもらっていました。

 仕事で会って話した時も「大変だったね〜」なんて会話のネタになっていた程度。ですが、30日正午にPCR検査を受けた病院からA氏に「ごめんなさい。ドクターが検査の結果を見間違えていました、あなた本当は“陽性”です」という、とんでもない電話がかかってきたそうです。そして「体調を崩して発症してから、マスクを外して会話をした人を洗い出して欲しい。すべて“濃厚接触者”になります」。そう続け様に伝えられ、A氏は僕を含めて思い出せる限りの“濃厚接触者”達に連絡を取り、保健所が手配した車で病院へと運ばれました。ちなみに車はVOXYだったそうです。

 A氏は自分から感染を未然に防ごうとしたのに、完全に病院のミスで発症者が野に解き放たれてしまった形です。ただ、検査や診察も人間のやることですから、こういうことは起こり得ること。そして当然といえば当然なのですが、“濃厚接触者”かどうかも、基本的には感染者の記憶・判断力次第なんだな、ということもこの時初めてわかりました。

 A氏から電話を受けたしばらく後、味覚をチェックするためにuberで頼んだカレーを食べていたら、保健所から電話。口頭で今後の対応を指示されました。

 ここからは僕の記憶力が試されることになります。なにせ自分も感染・発症のリスクが非常に高くなったわけなので、まずはA氏と会った27日午前以降、接触があった人々に“濃厚接触者”に指定されてしまったこと、経過を随時連絡することを伝えました。なんせ自分も発症したら、彼ら彼女らも“濃厚接触者”となります(この時はみんな、自分ではなく僕の身を第一に気遣ってくれて、本当にありがとうございました)。

 そして“経過観察期間”となる8月14日までの2週間は外出・人との接触を避けることも指示されたので、それまでの予定を全てリスケ。これがもっとも面倒でした。なにせフリーのライターなんて、人と会うことが仕事になります。取材の予定もたっぷり入っていたので、まずは編集者や取材担当者に直接リスケ、もしくは代役を立ててもらうお願いメールをせっせと作成。そしてこれは偶然だったのですが、たまたま経過観察期間中はテレビ&ラジオ出演が3本決まっており、これらにリモート出演が可能かどうか、その場合必要な機材は何か? などもせっせと問い合わせました。

 そしてそして、最もしわ寄せが行ってしまったのは家族です。A氏からの電話を事務所で受けていたため、保健所からも「可能なら事務所で寝泊りして家には帰らないように」と釘を刺されました。家には妻と、まだ2歳に満たない双子がいます。いくら感染リスクを減らすためとはいえ、幼い子どもの世話を全て丸投げするのは気が引けました。が、妻からも「帰ってくるな」という厳命が降ったため、2週間事務所で自主軟禁生活を送ることに。

続く

以下ソース
https://www.cyzo.com/2020/08/post_250870_entry.html

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