―[「家なき中年」衝撃ルポ]―

 人々の健康を脅かし、経済活動を停滞させた新型コロナウイルス。結果、人間的な生活を営むために必要な“家”まで奪われる人が増えているという。そこでSPA!取材班は、コロナによって住まいを追われた人たちを徹底取材。そこには、家族や社会から見放され、年齢的にも巻き返しの難しい「家なき中年」の辛すぎる現実があった――。

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菱田さんの現在の所持金は1085円。「このお金が尽きる前に、日雇いで働くか、NPOや役所に相談しようと思います」(菱田さん)

▼菱田正男さん(仮名)53歳・家なし歴0.5か月

 8月に入り暑さ極まる頃、菱田正男さん(仮名・53歳)は家を失った。

「今は新宿区のいくつかの公園で生活しています。体臭もキツいでしょうし、親子連れの目に触れたら申し訳ないので、一夜を明かす公園は毎晩替えていますね」

 そう周囲を気遣う菱田さん。これほど真面目な人が、なぜ路上生活者となってしまったのか。

 約30年前、学費が払えず医療系の専門学校を中退した菱田さんは、当時アルバイトをしていた飲食店にそのまま社員として就職。だが、この会社が相当なブラック職場だったという。

「なぜか役員の思想が強くて、毎朝、社訓の代わりに高い声で祝詞を読まされました。24時間労働も当たり前。自殺者が出たりと、闇が深くて、転職を決意しました」

 このとき、菱田さんは30すぎ。年齢的に求人は少なく、やっと見つけた漫画喫茶のバイトでは、エリアマネジャーにまで上り詰めたが、激務のために体を壊し、仕事も社員寮も失ってしまった。

 路頭に迷った菱田さんは「面接なしで即決、寮完備」を謳う派遣会社に入社することにした。

「福島での除染作業、食品工場のラインなどなんでもやりました。北海道でホタテの殻むきをしたときは、地元のおばさんや外国人労働者にバカにされて辛かったです」

 月20万円の給料のうち、寮費や保険などの雑費が抜かれて、手元に残るのはわずか9万円程度。それでも何とか耐えていたが、今年の3月末、広島市内の派遣先で突然、解雇と退寮を言い渡されたという。

「実はこれまでにも、派遣先の都合で突然解雇され寮を追い出されたことが何度もありました。もうこんな思いはしたくなかったので、別の会社への就職を決意しました」

 東京に戻り、寮つきの仕事を探した菱田さん。運良く寮つきの工場に就職が決まったが、コロナ禍での人員削減を理由に、突如採用をしばらく見合わせると連絡が入った。それから約5か月、菱田さんは会社からの連絡を待っているが、電話はいっこうに来ないと話す。おそらく体のいい言葉を使って、本当は不採用にしたのだろう。

「その後、NPOの施設や自立支援センターなどで生活しましたが、どうしても馴染めず、8月初旬にとうとう路上で暮らすことになってしまいました。有り金は全部で2000円にも満たない。水道水が主食なので、常に水っ腹です」

 菱田さんの取材時の所持金は1085円。

「このお金が尽きる前に、日雇いで働くか、NPOや役所に相談しようと思います」

 これまで、菱田さんは厳しい仕事に耐え、まじめに働いてきた。勤勉で気が優しい人ほど、割をくって路頭に迷うという現実がある。

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1695293

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