0001逢いみての… ★
2020/11/26(木) 00:12:45.95ID:CAP_USERユニセフの定義によると18歳未満の者の結婚は“児童婚”とされる。現代でも世界的に児童婚は根深い問題であり、ユニセフの統計では、世界の約5人に1人の女性が児童婚を経験しているという。そして先日、フィリピンでは13歳の少女と48歳の男性の結婚式が盛大に執り行われていた――。
フィリピン南部ミンダナオ島、ママサパノの街で10月20日、13歳の少女と48歳の男性(共に匿名)の結婚式が挙げられた。詳しい事情は判明していないが、この結婚は“仕方のない”ものであるという。何らかの社会的・経済的な事情が絡んでいることは想像に難くない。
イスラム教徒のみ一夫多妻制が合法となっているフィリピンで、この少女は男性の5番目の妻になったということだ。今回、5回目の挙式を挙げた男性は、この“新婦”を学校に通わせるつもりだという。そして、少女が20歳になった頃に子どもを授かりたいと考えている。
農業に従事する48歳の“新郎”は、最近になって家屋を増築したという。子どもが増えて子育てに手がかかるようになった妻と、今回の“新婦”をそこに住まわせる手筈となっている。“新婦”は家事に加えて先輩となる妻の子どもの面倒まで見なければならないのだが、この子どもたちの中には“新婦”と同い年の者もいるという。
「彼女と一緒に日々を過ごしていくことを嬉しく思います。子どもを産む適切な時期を待っている間に彼女に教育を受けさせたいので、私は彼女の学費を払います」と“新郎”は英紙「Daily Star」の取材に答えている。
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どうやら、この少女は生活費と学費のために男性の5番目の妻になったという背景が透けて見えてくるではないか。それと引き換えに、今いる子どもたちのために家事をこなし、将来的には男性との間に子をもうけることが決定づけられているのだ。結婚はいわば“方便”でもあるのだろう。
さまざま理由によって今もなくならない児童婚だが、そこにニーズがあり、歪んだ形ではあるが問題の解決策になっている場合、すぐに撲滅することは難しいのかもしれない。
国連では児童婚を、「一方または両方の者が18歳未満である正式な結婚または非公式の事実婚」と定義しており、それを人権侵害と見なし、児童の生命と健康を脅かし、将来の展望に制限を設けるものであると警告している。ユニセフの数字によると、フィリピンの児童婚の数は世界で12番目に多く72万6000人である。
インドのデリーを拠点に活動する児童婚撲滅キャンペーングループの「Girls Not Brides」によると、フィリピンの少女の約15%は18歳未満で結婚しており、2%は15歳未満で結婚している。今回の少女もこの2%のうちの1人だ。
「児童婚は人権侵害であり、すべての人のより良い未来を達成するために私たちは終わらせなければなりません。児童婚は子どもとして結婚しているため、大きな課題に直面しています。孤立し、自由が制限されているため、児童婚の少女はしばしば無力感を覚えます。彼女らは健康、教育、安全に対する基本的権利を奪われています」(声明より)
そして今日の世界を襲う“コロナ禍”によって、児童婚は再び増加に転じる傾向にあるという。児童婚は平時であっても貧困、教育の欠如、社会不安を背景に行われてきたが、現在のようなコロナ禍の危機的状況では経済的に困窮する家庭が増え、その結果として児童婚は急増するというのである。
さらに、子どもの権利を保護するために活動するNPO「セーブ・ザ・チルドレン」の指摘によれば、現在の“コロナ禍”によって2025年までに250万人以上の少女が児童婚の危険にさらされるという。この25年の努力で徐々に減ってきた児童婚の慣習が、残念ながら再び息を吹き返してしてしまうというのだ。
“コロナ禍”によってこれまで見過ごされてきた意外な問題が各所で浮き彫りになってきているが、児童婚の急増も深刻な社会問題ということになるだろう。国際社会が取り組むべき喫緊の課題として対策が広まらなくてはならない。
文=仲田しんじ
以下ソース
https://tocana.jp/2020/11/post_185687_entry.html