朝日新聞が女性議員増を訴える社説を掲げた。5月4日付けの紙面に掲載されたもので、今秋までにある総選挙で各党とも1人でも多くの女性を擁立することを訴えた。クオータ制の導入にも言及するなど、現実離れした変革を求める声には疑問が残る。

 問題の社説は「女性議員増へ 衆院選 擁立に力を注げ」というタイトルで、2018年に公布・施行された政治分野における男女共同参画の推進に関する法律(候補者男女均等法)に基づき、女性候補者の擁立を呼びかけるものになっている。

 2019年の参院選では女性候補が全体の28%にとどまり、特に自民15%、公明8%と与党の候補者が少ないことを指摘。「次の衆院選で各党の本気度が試される。」とした。

 その上で同法が女性議員を増やすための方策が努力義務にすぎないとされていることから、均等の実が上がらない場合には「議席や候補者の一定割合を女性にあてる『クオータ制』の導入が求められ、女性が立候補しやすい環境づくりや、女性候補の養成にも力を注がなければならない。」としている。

 こうした要求の前提にあるのは、世界経済フォーラム(WEF)がまとめた男女格差の報告書(2021年3月31日公表のジェンダーギャップリポートと思われる)で、日本が156か国中120位と低位にとどまっているという事実。それが政治分野での女性の進出の遅れが主因であると分析し、その解消を求めるというものである。

 最後に「いまの多様な政治課題は男性だけで解決できない。女性の力を生かす政治に真剣に取り組む政党や政治家を見極め、有権者の投票で背中を押すしかない。」と締めた。これは今秋までに行われる総選挙で女性候補への投票を勧めるもので、女性候補が多い野党(前出の参院選で立憲民主党の女性候補比率は45%、共産は55%)に有利な呼びかけになっている。

 「日本の政治の進化のために、女性に投票しましょう」と訴えてはいるものの、実際は「野党に投票しましょう」と呼びかけているようなもの。新聞社の公平公正さはどこに行ったのかと思うが、それは措くとしよう。

 この社説の最もおかしな点は、候補者男女均等法の重要な基本原則を無視していることである。同法2条に基本原則が示されているが、その中に以下の一節がある。

【候補者男女均等法】2条

1. …選挙において、政党その他の政治団体の候補者の選定の自由、候補者の立候補の自由その他の政治活動の自由を確保しつつ、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指して行われるものとする。

 男女の均等は、あくまでも候補者選定の自由、政治活動の自由を確保した上での話。男女の均等は努力目標である上、政治活動の自由等を侵害しないという留保の上に成り立ち、全てにおいて優先される事項ではないことを定めている。

 それを故意なのか無知なるゆえかは分からないが、「女性が立候補しやすい環境づくりや、女性候補の養成にも力を注がなければならない。」(同社説)と至上命題であるかのように書いている点で、法の趣旨を無視した主張と言わざるを得ない。

 その上、同紙はクオータ制(Quota System)に言及している。これは議員や会社役員などの女性の割合を予め一定数に定めておく制度で、積極的差別解消策(アファーマティブアクション:Affirmative Action)の1つ。

 このクオータ制を導入すれば女性の数を一定数確保でき、男女の不均等の解消に決定的な役割を演じることになるが、弊害は小さくない。当選するためには、政治家に向いているか否かよりも、性別が優先される場合が出てくることが最大の弊害であろう。その場合、明らかに政治家に向いていない、政治家としての能力に欠ける人間が、女性であるというだけの理由で有能な男性の代わりに議員になることも起こり得るのである。

 国会議員は国民の生命と財産に直結する仕事をしており、適切な人材が選ばれなければならない。愚鈍な政治家が女性という理由だけで当選すれば、大袈裟でなく国家の危機と言える。

続く

以下ソース
https://reiwa-kawaraban.com/politics/20210505/

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