COVID-19という新型コロナウイルスによる感染症の拡大を防ぐために、様々なことを辛抱しなければならない生活も一年を超えた。その間、人々は「敵」を次々と認定し攻撃してきた。俳人で著作家の日野百草氏が、一年前にもっとも糾弾されていた業界のひとつであるパチンコ店幹部に、乗り越えたいまだからこそ言えることを聞いた。

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「いいなりになったらやられるんです。関係ない人の言いなりになっても、なにもいいことはない」

 関東近郊、地場のパチンコ店幹部である西口真二さん(仮名・48歳)はマスク越しに笑みをのぞかせた。マスクでくぐもっていても、その声は相変わらずの自信に満ちている。

「去年の今ごろとずいぶん風向きは変わりました。私たちの努力と、支持してくださるファンのおかげです」

 日曜日の千葉県柏市、柏駅はコロナ禍にあっても賑わいをみせていた。東京東部の住宅街、綾瀬駅や亀有駅、金町駅から乗った乗客が多数、この柏駅や途中の松戸駅に降りるところをみると、緊急事態宣言下の都内を避けて千葉に買い物に来た都民も多いのだろう。西口真二さんは筆者の高校時代の友人、学校は違うが、この柏駅近くの地下ゲームセンター街、通称”丸チカ”に集った古きゲーム仲間だ。

「あのとき(2020年の緊急事態宣言)ほどではありませんが、足立区や品川区といったナンバーもいます」

 緊急事態宣言、2020年とは違い2021年のいま、都内のホールのほとんどは営業している。1000平米超の大型施設に対する休業依頼だが、百貨店や映画館はその範疇になくとも休業、もしくは規模縮小の上で営業している。西口さんの地域は緊急事態宣言下にないため都内のホールのような時短もしていない。関東各県は特定の市に対してまん延防止等重点措置の対象地域に指定しているが、あくまで要請でありコロナ対策の徹底には従っても私権に及ぶことまで言うことを聞く義理もない。協力金もはした金、パチンコホールのように特定の顧客に支えられたアミューズメント施設なら通常営業したほうがよっぽどいい。

「そうです。お客様が来ないなら休みますが、支持してくれるお客様が来てくれるわけですから、ファンのためにも休めないわけです。お客様だけを大事にする姿勢は変わりません。それでいいんです」

 特定顧客に支えられている業界は強い。気に入らないからと外野がパチンコ離れだ、オワコンだと喧伝しても20兆円産業であることは変わらない(レジャー白書2020)。観光業界の倍近く、公営ギャンブルの倍以上の市場規模であり、余暇産業の市場規模における日本一の業界がパチンコ・パチスロ産業だ。少子化や娯楽の多様化、規制の強化などで業界の将来性が不明瞭なのは事実で、最近はコロナより旧規則機問題のほうが痛く、西口さんによれば茨城県の県遊協など揉めにもめたらしいが、この辺の業界話は本旨でないため割愛する。

「何でもかんでもいいなりになってはいけないんです。協力はしますが、いいなりにはならない。自分たちの身は自分たちで守るというのは商売の鉄則です。パチンコ批判をしている人も、自分の食い扶持は守るでしょう。そもそも、彼らの言うことを聞くメリットもありません」

 個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。

続く

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20210530_1663590.html

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