―[ライトなライト論]―

 チャンネル登録者数は70万人を超える、人気政治系ユーチューバーのKAZUYA。政治的スタンスは「ライトなライト」(軽い右寄り)を自認する。日本の未来に光をともすべく、難解な政治ニュースや社会問題を軽やかに、明るく、面白く斬る!

 短期集中で機会をいただいたこの連載も今回で一区切りです。10回はあっという間だなと思うのですが、連載開始当初から今に至るまで「ライトなライト」としては憂鬱な日々が続きました。

 これまでの連載で取り上げたように昨年末の米大統領選挙における保守界隈の陰謀論蔓延、そして徐々に全容が明らかになっている愛知県知事のリコール署名運動の大量偽造問題もありました。

 顕在化したのは今年ですが、問題の発生は昨年のことです。ですから’20年というのはネット保守派にとってターニングポイントの1年だったのかもしれません。

 それまでネットの保守派界隈の多くが支持していた安倍政権が終わり菅政権に代わるという出来事がありましたし、新型コロナの影響であらゆる活動が制限されるなど社会的な変化も多い1年でした。

 因果応報といいますか、散々左派を馬鹿にしてきたツケが回ってきたのかもしれません。いや、ツケというより普通に考えたらダメじゃんということを米大統領選、リコール署名偽造の両方で展開しています。陰謀論の蔓延は常識的に考えればおかしいとわかることですし、リコールの署名偽造は民主主義国の国民として絶対にやってはいけない不正です。

 保守派といえば道徳にうるさい人たちが多いのですが、かといって道徳に熱い想いを持つ人が道徳的にハイレベルかは別問題です。

 韓国では「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」という言葉があるそうで、まさに日本でも同じ現象が発生しています。愛国的なはずの保守派が国の威信を損なうような陰謀論を吹聴したり、不正によって署名を水増しするなどあってはならないことです。

 愛知県知事へのリコール運動は、’19年に行われたあいちトリエンナーレに抗議する意味で展開されたものです。昭和天皇の肖像を焼くものをはじめ、公金を使ってやるものかと大きな批判が巻き起こりました。大村秀章県知事への怒りが河村たかし名古屋市長や美容クリニック経営の高須克弥院長らをリコール署名運動へと駆り立てました。

 多くのネット保守派はこの運動を応援(僕もです)しましたが、署名の集まりが芳しくなく、大量の署名偽造が佐賀県で行われて発覚し大問題になりました。真面目にリコールをやろうとして参加したボランティアの方や寄付をした人をも侮辱する行為です。

 この件は事務局長を務めた田中孝博氏が主導したと見られ、本人だけでなく妻と次男、さらに事務局幹部も1人逮捕されています。

 田中氏は元愛知県議員で維新の会の衆院愛知県第5選挙区支部長でした。ですから、今年行われる予定の衆院選に出馬する予定だったのです。この運動を通じて名前を売りたいという目論見でもあったのか……どちらにしても、あってはならない不正を展開した結果、2月の段階で支部長を辞退しています。

 また、活動を巡って高須院長と河村市長が謎の絶交をしたことも話題になっています。運動はどちらの発案だったかなどが問題視されているようですが……当事者にしかわからない、譲れないポイントなのでしょう。

 僕は動画でも最近のネット保守派の失態について自省の意味も込めて批判的に捉えているのですが、決して気持ちがいい行為ではありません。

 人間どうしても「内集団バイアス」といわれるように、自分が所属する「帰属感」を得られるグループの人物や出来事には甘い評価をして、ほかのグループには厳しくあたってしまいます。

 これまでネット保守はマスコミや左派界隈を激しく批判してきました。しかし、いざ自分たちのグループが批判される立場になるとダンマリを決め込んでは、今まで批判してきた対象と何が違うのかという話です。結局突き詰めると、思考の方向性が違うだけで、同じことをやってしまっているのです。

続く

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1757954

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