オミクロン株なるコロナの新たな変異ウイルスが出現しているものの、緊急事態宣言は昨年の10月1日をもって解除。1日当たりの東京における新規感染者も随分と減少した。

社会生活に少しずつ明るい兆しが見え始めた昨今、客足の消えた日本各地の色街は、コロナ後の今をどのように生き抜いているのか気になった。コロナにより我慢していた欲求を吐き出そうと男たちが押し寄せているのか、それとも静かに店の灯を消す事態になっているのか。

日本各地の色街で働く女性たちに話を聞いてみたいと思った。最初に私が話を聞いたのは、江戸時代から続く色街、東京の吉原で働く真理子という名のソープ嬢だった。

真理子には別の取材で話を聞いていた。1年前の1月に発出された二度目の緊急事態宣言下の吉原の状況を、彼女はこのように語っていた。

「毎年お正月は予約のお客様でお店はいっぱいになるんですけど、全部の部屋が埋まらなかったのは私が7年仕事をしていて初めてのことでした」

吉原は、コロナによって大きな打撃を受けていたのだった。一方で、コロナ禍であっても来店を続ける客はいた。ただ、客本人は真剣なのだろうが、一風変わったコロナ対策をしていた。

「以前から来ていただいてたお客さんなんですけど、コロナが流行り出してから急にイソジンを自分で用意してくるようになったんですよ。何をするのかと思ったら、いきなり尿道にイソジンを入れたんです。ある程度入ったら、おちんちんを握って噴水みたいにピュツ、ピュツと出して、それを何回か繰り返して、『これをやっておけば、コロナにも性病にもかからないから大丈夫』って言ったんです。イソジンでうがいはしますけど、尿道に入れる人なんて見たことなかったんで、びっくりしましたね。そこまでしてもやりたいんだなって(笑)」

果たして緊急事態宣言が解除され、どのような状況なのか。イソジンの客は、もう現れなくなったのか。いくつもの質問を頭に浮かべながら、真理子に会った。

まず私が聞いたのは、緊急事態宣言中、どのように過ごしていたかだった。

「吉原には、月に4回ほど予約のお客様がいらっしゃる時に行くだけでした。時間に余裕ができたので、豊胸手術を受けました。それとデリヘルで働き始めたのと、友達に頼まれてスーパーコンパニオンを1回だけ神奈川県の温泉でやりました。一緒にお風呂に入ったり野球拳をやったり、基本は2時間で、時給は7000円。オプションで女体盛りがあったり、3万円で体を売る大人の付き合いもあるんです」

デリヘルは、千葉県内の店に所属しているという。そちらの様子はどうなのか。

「客層が吉原とは違って、若くて肉体労働をしている人が多いですね。それだからというわけじゃないですけど、『コロナなんて関係ねぇ』っていう感じの方が多いです。ワクチンも打たず、『風邪と変わらないから大丈夫だよ』とか言いながら変わらず呼んでくれるので助かってはいますね。デリヘルのお客さんは、コロナ前も後も全然、態度も雰囲気も変わらないです」

しかし、吉原には大きな変化があったという。

「緊急事態宣言が解除されてから、がらっと変わりました。上野や三ノ輪へ行く送迎の車が以前より多く行き来してますし、コロナが流行っている間はまったく連絡がなかったお客さんからも電話がかかってくるようになり、実際にお店に来てくれるようになりました」

そういった変化は、客だけでなく店の中でもあった。

「これまでは、お店の待機室に女の子がいなかったんですけど、今は2、3人いるようになりました。特に土日は、お店の部屋がいっぱいになるんです。明けてすぐの時には、他のお店に部屋を借りたほどでした」

続く

以下ソース
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/43501

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