4月13日、ウクライナ軍はロシア海軍黒海艦隊旗艦『モスクワ』に対し、自国産対艦ミサイル『ネプチューン』2発を命中させ撃沈したと発表した。

ロシア側は、「タグボートに曳航されて軍港に戻る途中で沈没した」と発表している。

先日、本サイトで配信した『地対艦ミサイルのウクライナ供与は、戦局を大きく変えるのか?』の記事中で、元陸上自衛隊中央即応集団司令部幕僚長の二見龍元陸将補は「対空装備の無い輸送船は、(地対艦ミサイルを)2発も撃てば沈んでしまう」と話しているが、ミサイル巡洋艦『モスクワ』は、ロシア艦隊で最高の対空装備を持つ船だ。それがわずか2発の対艦ミサイルであっさりと沈んでしまったのだ。

先日公開された沈没寸前の『モスクワ』の写真では船は左舷に傾き、艦橋とその後方から凄まじい黒煙を出しており、艦体は焼けただれていた。

世界中でロシア艦隊を撮影しているフォトジャーナリスト・柿谷哲也氏はこう分析する。

「ウクライナ軍が発射した対艦ミサイルは、一番大きな熱源である艦橋後部、煙突真下辺りに着弾し、その後、爆発。艦は炎上したと思われます」

報道によると、艦長は艦内爆発により発生した火災で死亡したという。米国防シンクタンクの海軍戦略アドバイザー・北村淳博士に『モスクワ』沈没について聞いた。

「『ネプチューン』の命中で艦を指揮していた将校の多くが戦死、行動不能化させられたと考えられます。それにより系統だった消火作業や排水作業が出来ず、乗組員が勝手に退艦してしまい、沈没に至ったのでしょう」

沈没寸前を写した写真は、まさにそんな状況を物語っている。

「舷側の扉から黒い煤が上に向かって付着しているように見えます。これは隔壁閉鎖ができなかったことを示し、被弾後のダメージコントロールがうまくいかなかった証です」(柿谷氏)

しかし、対空装備を備えた『モスクワ』に、何故対艦ミサイルが命中したのだろうか。

「艦の位置をどのように突き止めたかが重要です。アメリカからの情報提供(位置情報のみで、敵味方の判別は不明)を得て、TB2よりコストの安い偵察ドローンを飛ばし、それにより敵艦『モスクワ』であると断定。陸地から対艦ミサイル2発を発射。慣性航法で飛翔し、IRで敵艦の熱源を探知、低高度のまま1発を囮(おとり)として、1発ないし2発とも命中したと推定します」(柿谷氏)

旗艦『モスクワ』の防空能力についてはどうなのだろうか。

「米中の新鋭艦に比べれば見劣りするのも当然ですが、S300F長距離防空ミサイル64発、OSA−MA短距離防空システム40発、AK−630近接防御機関砲6基を備えていますが、今回は対空ミサイルを1発も発射した形跡がありません。

『ネプチューン』は黒海沿岸から発射されると8分以内に『モスクワ』に到達しますが、レーダーで捕えたとしても、その時点で着弾まで4分を切っていたと考えられます。

その段階で、戦闘担当将校が敵ミサイルと判断、対空戦闘開始となりますが、ロシア軍は硬直的指揮命令系統なので上官に攻撃命令を求める手順を踏んでいるうちに、防空戦闘の機会を失ったのではないか、と考えられます」(北村氏)

前出の柿谷氏の発言にもあったが、対艦ミサイル命中後、海軍では「ダメージコントロール」と呼ぶ対応策を開始する。

「アメリカ海軍では、まず現場での初期消火が鍵です。次に総員配置で派遣消火部隊を編成、迅速に火元と有毒ガスが検知され、次々と交代の消火部隊を派遣し消火。その手順で「ダメコン」を実施します。

艦内には専門の消防隊はおらず、乗員がどれだけの消火のテクニックを持っているかにかかっています。海上自衛隊やアメリカ海軍は、出航翌日とその後最低1週間に1回、抜き打ち訓練を実施して消火の腕を磨いています」(柿谷氏)

続く

以下ソース
https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2022/04/23/116143/

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