2017年に宅配大手が荷物の総量規制と配送料値上げに踏み切り「宅配クライシス」と呼ばれる状態に陥ったとき、再配達による宅配業務の圧迫がさかんに言われ、再配達は追加料金をとってもよいのではないかと一般顧客から声が上がるほどだった。その後、状況は改善されたかのように見えていたが、水面下では再び危機が迫っている。俳人で著作家の日野百草氏が、新型コロナウイルス感染拡大で利用者が激増した通販大手サイト配送における再配達と置き配の問題についてレポートする。

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「時間指定で置き配なしのお客さまが不在というのは本当に困るのです。そのお客様の1個を届けられるか、その積み重ねが食い扶持にも影響します。私たち配送員も人間です。生活があります」

 通販サイト大手で個配を請負っていた旧知の配送員の話。現在は別の大手で配送の仕事をしているベテランだが、問題となっている時間指定と不在、そしてコロナ禍に普及した置き配の話を伺う。これはお客様へのお願い、でもあると語る。

「時間指定のお客様にはより細やかなサービスで配達しております。在宅していても届け時にトイレ中、とか大切なテレワークの勤務中、とか想定しながら配ります。実際の現場では時間指定、そして不在となると長年の勘が頼りです」

 日本ではおよそ300万人が物流に携わっている。その中で運送業(道路貨物運送業就業者)はおよそ180万人、運送会社(貨物自動車運送事業者)も6万社を超える。それぞれに違いがあるのは当然で、今回はあくまでお話をいただいた配送員の方が請け負っていた会社を事例としているが、時間指定と置き配、そして不在通知は個配に共通した問題であり、トラブルの元にもなっていることは確かである。

「まず配送手順として時間指定から配送します。そこで不在の持ち帰りが発生すると、そのコースを配りきったあと、もう一度引き返し、再訪問します」

 配送員を悩ませるのは届け先の不在、それも時間指定の配達にも関わらずの不在、である。

「1日200個以上を配達しますが、その中で時間指定の不在の方がいると悩ましいです。不在時は置き配可、なら問題ないのですが、勝手に置き配できませんから持って回って再連絡、再配達しかありません。せめて本人不在でも、誰かがそこにいらっしゃればよいのですが」

 コロナ禍で一気に普及した置き配。対処は通販会社、運送会社によってさまざまで、不在でも置き配指定ならそのまま置いていく業者もあれば、置き配指定であっても不在なら持ち帰る業者もある。また荷主次第の部分もあって、例えばAmazonやZOZOなら不在でも原則的に置き配できるが、それ以外の荷物は不在なら持ち帰る場合もある。

「置き配送手配はしないが時間指定はする、それで不在となると本当に困るんです。いろいろ事情はあるのでしょうが、ただ『忘れてた』と言われてしまうと……それも同じ荷物で何度も『忘れてた』を繰り返すお客様となると、ではこの荷物、どうすればお届けできますか? 本当に届けて欲しいのですか? となってしまいます」

 配達員も人間である。荷主(発荷主)と受け取り客(着荷主)との相互契約により、あくまで仕事として請け負っているに過ぎない。

「本音のところ『からかって遊んで楽しいのですか?』と、心の中ではエスカレートして来ます」

 これまで何度も置き配、時間指定、そして不在票に関する個別トラブルがメディアで報じられてきた。SNSでも炎上案件の常連だ。配達員の事情を理解しない一部の客は、まるで自分の手下か奴隷のように扱う。
 
「その荷物が届かなかった為に、配達員はガソリン代とセンターとの往復を自腹で負担します。こうした小さな事案が日々、積み重なるのが日本の配達事情です」

続く

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20220506_1750306.html?DETAIL

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