「都心部は物価の高さや、人の多さなどはある程度予想はしていたのですが……」。そう語るのは、宮崎県から上京して印刷会社の営業をしている田中豊さん(仮名・25歳)。田中さんは大学まで九州で過ごし、就職で東京に上京しました。

 田中さんが育った地域は、市街地から数駅離れた住宅街。近所には親類や学校の同級生などが住んでいました。そのため、東京では知り合いが誰もいない状況から暮らし始めることに戸惑ったそうです。

「普段も、日中は家の鍵を掛けないで暮らしていました。家の中にいると、母と親しい近所の人が『こんにちは〜』って勝手に入ってきたりしていました。でも、こっちは誰が住んでいるのかもわからないので、ちゃんと鍵を閉めるようになりました」

 田中さんはお酒を飲む習慣がなく、繁華街に行かなければ安全だと思っていたと話します。

「ニュース番組の特集でよく、歌舞伎町の派出所の密着とかやっているじゃないですか。ああいいうところに行かなければ犯罪に巻き込まれることはないと思っていたんです。ケンカも強くないので、夜道を一人で歩くときは、お札は靴下の中に隠して歩いたこともあります。用心深い性格なので、怖いことには巻き込まれないって自信がありました。でもあるとき、仕事で治安があまりよくないと言われている地域に行くことになったんです

 駅から少し離れた大通りを歩いていると、人垣ができていました。何事かと思ったら、ビルの上の階にある消費者金融の事務所に強盗かなにかが入っているっていうんです。今思えば、ちょっと面倒なお客さんが居座っていただけだったのかもしれませんが、どちらにしてもそんなの怖くて近寄りたくないって思いましたね。すぐその場から逃げたかったのに、会社の人が一緒にいて、『あれ、何をしているんだろう』ってのぞきに行こうとしたので、慌てて止めました」

 確かに、事故や火事などに遭遇するとその場に近づく野次馬は必ずいます。でも、田中さんが驚いたのは、それだけではなかったのです。

「なによりもびっくりしたのは、すぐそばにあるバス亭には人が並んでいることでした。だってすぐそばで警察も来ているんですよ。強盗事件が近くで起きているかもしれないのに、みんな平然としていることに驚きました」

 東京で暮らして、防犯意識も高まったと言います。

「知人がロードバイクと呼ばれる高級自転車を敷地内に停めていたそうなんです。そうしたら、深夜にその自転車が盗まれたという話を聞きました。転売目的と聞いて、さらにびっくりしましたが……。僕のは安い自転車ですが自転車にも鍵を二重で付けたり、戸締りも気を付けるようになりました」

 しかし、東京での暮らしは怖いことばかりでもないそうです。

「休みの日にリュックサックをしょって歩いていたら、後ろから年配女性が付いてきたんです。何だろうって思ったら、『鞄のチャック開いてますよ』って声を掛けられて。あるときは、ATMを操作中に電話がかかってしまい慌てて外に出たら、ATMにお釣りを忘れてしまったんです。すると、次の人がわざわざ外に出て渡しに来てくれて。親切な人もいるんだなって思いました」

 大人になると子どもの頃と違って地域の行事に参加することもなく、近所の人とのつきあいは希薄になりがちですが、「知り合いがいない街でも親切心は忘れないようにしようって思いました」と田中さんは語っていました。

<TEXT/池守りぜね>

以下ソース
https://bizspa.jp/post-599216/

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