【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】

 診断の基本は正常な状態を理解して異常を見つけることです。正常な状態は統計的なデータをもとに決められています。

 科学研究費助成事業から416万円もの研究費を貰っている基礎研究で、肛門に関するさまざまな状態が調べられています。基礎研究の予算はこんな地道なところでも役立っています。研究成果を見ると肛門にはかなりの男女差がありました。

機能的肛門管長は男性が少し長め
男性:中央値4cm(3〜5)
女性:中央値3.5cm(2.5〜4.5)

肛門管最大静止圧は男性が少し高め
男性:中央値70mmHg(20〜136)
女性:中央値52mmHg(17〜118)

最大随意収縮圧は男性が圧倒的に高い
男性:中央値213mmHg(49〜467)
女性:中央値101mmHg(24〜267)

内肛門括約筋は女性の方が厚い
男性:中央値1.4mm(0.8〜2.0)
女性:中央値1.9mm(1.3〜2.5)

内肛門括約筋の長さは男性の方が長い
男性:中央値32.1mm(25.4〜38.8)
女性:中央値30.4mm(21.8〜39)

 便が直腸に一定量溜まると便意が生じる最小発現量に男女差はなく30ml(10〜100)でした。

 肛門は意識していないときでも寝ている時でも、大便が漏れないように一定の力で締まっています。このときの力を「肛門管静止圧」といい、加齢にともない弱くなり、老人になると便が漏れるほど弱くなりオムツが必要になります。

 自分の意思で肛門を閉める時の力を「随意収縮圧」と呼びます。

 随意収縮圧はトレーニングして鍛えることが可能なので老人になって肛門の力が弱くなり漏らしてしまう人は病院でトレーニングします。

 一般には肛門の筋肉を「括約筋」と呼びますが、肛門の筋肉には2種類あって、何もしていない時の静止圧は自分の意思では動かせない不随意筋である内肛門括約筋が出している力です。

 自分の意思で肛門を締めている時の力は随意筋である外肛門括約筋が出しています。

 直腸に便が溜まると自分の意思とは関係なしの反射で内肛門括約筋から力が抜けてウンコが出ます。

 人間が自分の意思で排便を我慢している状態は、意思に関係なく内肛門括約筋から力が抜けて外肛門括約筋に意識して力を入れている状態です。排便をどれだけ我慢できるかは外肛門括約筋の力に依存しています。

 さて、ここで興味深いのが、自分の意思で力んで肛門を締めたときの最大随意収縮圧は男女差が大きく男性の中央値が213mmHgに対して女性の中央値は101mmHgしかありません。

 男性の方が女性よりも肛門を締める力が強いことが統計データからわかります。

 肛門を締めると膣も締まるといわれますが、穴同士が近くにあるために男なら全て肛門に回る力の一部が膣に回っているせいだと考えられます。女性は穴が2つあることが原因で男よりも肛門を締める力が弱いというわけです。

 肛門は入り口の数センチだけが締まり、直腸の中へ入ると締まりません。この締まる部分の長さを「機能的肛門管長」と呼びます。

 男性が中央値4cm(3〜5)に対して女性が中央値3.5cm(2.5〜4.5)と男性の方が長くなっています。

 このような肛門の統計データを解釈すると、肛門は女性よりも男性の方が良く締まることになります。

 さらに、膣圧の平均値は38〜40mmHgぐらいしかなく、実はアナルの方が数倍も強く締まります。「後ろの穴の方が締まりが良く気持ちいい」と言われるのは、医学研究の統計データから見ても客観的な事実でした。

続く

以下ソース
https://tocana.jp/2023/03/post_247867_entry.html

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