読売新聞社が主催するWBC(ワールドベースボールクラシック)で旭日旗による応援が認められない件について、外務省は15日、問題への介入はできないという立場を明らかにした。。当サイトの取材に対して答えたもの。民間で実施しているイベントでの取り決めに国家権力が介入することは企業の自由な活動を制約しかねないため、政府としてやむを得ない判断と言うしかない。あらためて各企業の社会的責任が問われることが明らかになった。

 WBCを主催する読売新聞社は、東京ドームでの旭日旗による応援を禁止している。その理由は「応援国旗とは全く関係がないので、ご使用を控えていただいている」(東京ドーム担当者)というもの(参照・WBC旭日旗応援は禁止 違反なら退場も)。

 韓国の関係者が主張する「軍国主義の象徴」などという主張とは別次元の理由で禁止しているが、こうした決定が諸外国に対して「旭日旗は掲げてはいけない旗であり、日本側もそれを分かって掲げさせない措置をとっている」という誤ったメッセージとして伝わる可能性はある。

 我が国の旭日旗に対する見解は、外務省がホームページで示している。

 「旭日旗の意匠は日章旗同様、太陽をかたどっており、大漁旗や出産・節句の祝い旗等、日本国内で現在までも広く使用されているものであり、特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない。政府として、韓国を含め国際社会に向けて、旭日旗の掲示が政治的宣伝にならないという考えを累次の機会に説明しており、今後ともそうした説明を継続していきたいと考えている。」(外務省・旭日旗 我が国の基本的立場<2021年5月18日加藤官房長官記者会見午前(抜粋)>)

 「特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない。」とはっきりと示している。諸外国が何を言ってきても、日本国政府として「旭日旗を使用するな、掲げるな」というような理由はないということである。

 以上の点を踏まえて15日午後、当サイトは外務省に話を聞いた。担当の人物交流室が応対してくれた。

松田:主催者の読売新聞社の意向で、「応援国旗とは全く関係がないので、旭日旗はご使用を控えていただいている」ということです。外務省としては我が国の立場として「特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない」ということをおっしゃっているわけですが、それに直ちに抵触するというわけではありませんが、事実上、旭日旗を掲げられないことで、諸外国に誤ったメッセージとして伝わるのではないかと危惧します。その点についてお考えをうかがいたいと思います

担当者:私どもとしては今回の試合に関しましては、読売新聞さんという民間の団体がなさったことですので、この対応について私ども、政府として何かコメントをするとか、意見を伝えるということは差し控えたいと考えております。

松田:もちろん民間がやっていることではあるのですが、政府の立場と違った形で運営しているのではないかと、具体的には韓国ですが、それが伝わったら国益を損ねることになるのかなと私は思います。その点はいかがでしょうか、それは仕方がないことなのでしょうか

担当者:そこはあくまでも民間の団体がなさったことですので、それについて我々が是非についてお伝えすることはしませんが、私どもとしては旭日旗というのが、これまでも色々と使われてきて、差別的だとか政治的だとかには当たらないという基本的な立場がございますので、この点については変わりはございません。

松田:サッカーの場合は公益財団法人日本サッカー協会が主催する場合もありますし、その点は今回の純然たる民間団体である読売新聞社が主催の場合とは異なるという認識でしょうか

担当者:サッカー協会が行うものに関しましては、協会と国際サッカー連盟(FIFA)の間で緊密に連絡をとっていただいて、やっていただくという形をとっております。

 やり取りを見ていただいて分かる通り、政府(外務省)としては民間が実施するイベントに「ああしろ、こうしろ」と口を挟めない。憲法22条1項は職業選択の自由を保障しており、旭日旗の扱いについて政府が定めた方針に従うように、強制力をもって従わせることなどできないのである。

続く

以下ソース
https://reiwa-kawaraban.com/politics/20230315/