ちょうど5年前の春、私はAVデビューした。最近になって、AV女優になって何年くらい経ったの？という質問をよくされる。5年くらいですかねえ、と答えながらそんなに経っているのかと我ながら毎回びっくりするし、デビュー当時はこんなに長く続けているなんて想像もしていなかった。そもそも2年続けばいい方と言われる世界で、デビューする時にもそう教わった。だから最初は有名になりたいとかできるだけ長くやりたいとは思っていなくて、仕事がなくなったらすっぱり辞めてしまおうと決めていた。

しかしありがたいことに未だにお仕事を頂けているし、この5年間仕事がまるきり嫌になることもなかった。様々な仕事の中には、こんなのやってられるかよと思う仕事だって当然あった。どうしても許せない人に会うことも、肉体的にしんどいことも、精神的に参ってしまうこともある。今でもこの業界のここはおかしいよなあと思う部分もある。細かいことを挙げていけば色んなことがあるけれど、マイナスな部分を遥かに上回る興奮と楽しさがあるのも確かなのだ。

今ではもう何とも思わないけれど、毎回様々なスタジオに行ってその日ごとに与えられた設定でよく知らない人とカメラの前でよーいドンでセックスするなんて変なことだ。変なことだけど、私はそれをたまたま面白いなと思える人間だったので運がいい。それが楽しいと感じられなかったらどんなにお金が稼げても私は仕事を続けなかっただろうと思う。

ちなみに私はこの仕事を始めようと思った時にお世話になっていた大学の先生に相談に行った。自分の中ではもうほぼやろうと決めていたのだけれど、やっぱり不安はあって信頼できる人に話したかったのだ。今でもよく覚えているのだが、先生の研究室に行ってAVに出ようと思っててという相談をすると、先生は過去に男優としてAVに出たことがあるという衝撃的な発言の後にこう言った。「99％はクズかもしれないけど、1％は面白い人がいるはずだからそういう意味でやる価値はあるかもしれない」と。実感では1％どころかもっと沢山面白い人はいるけど、このアドバイスがあったから私はAV女優という仕事を続けていられるのかもしれないなとも思う。

仕事を始めた当初はとにかく必死でやるしかなくて周りを見る余裕もなかったけれど、ここまで続けてきてやっと、この人やあの人に出会えて本当によかったなと思うことが増えてきた。先生が言っていた言葉の意味がようやく形を持ち始めている気がして嬉しいし、自分自身も誰かにとっての1％になりたいなと思う。最初は長く続ける気もなかったこの仕事だけど、もうちょっと、行けるところまで行ってみたいと今は思っている。

https://www.dmm.co.jp/digital/videoa/-/detail/=/cid=gvh00516/RaceQueenInc-001

宝田もなみ　1992年10月9日生まれ、東京都出身。AV女優。美術大学卒。中高教員免許、世界遺産検定2級保持。YouTube「オカルトもなぱいチャンネル」にて別名義、桃永ぱいんとしても活躍中。ビーダッシュプロモーション所属。

以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/article/20230317-FRVGVHJYRRDLNMVZWYXCL33ISU/

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