男性の最適なタイミングでオーガズム(性的絶頂)を達成するための数式が世界で初めて確立されたようです。

ここで言う最適なタイミングのオーガズムとは、精神的な高揚と射精が一致することだという。

この奇妙な研究を手掛けたのは、英サセックス大学(University of Sussex)の数学者であるコンスタンチン・ブリュス(Konstantin Blyuss)氏とユリヤ・クリチコ(Yuliya Kyrychko)氏。

両氏はスポーツのパフォーマンス分析に用いられる数学的手法をヒントに、過去数十年の性に関する研究データを土台に、男性がオーガズムに達する確率を最も高める数理モデルを導き出しました。

そして、その方程式から判明したのは、性行為の序盤から心理的興奮が強すぎると最適なタイミングでオーガズムに達する確率が下がるということだったようです。

研究の詳細は、2023年4月4日付で学術誌『Chaos: An Interdisciplinary Journal of Nonlinear Science』に掲載されています。

今回、両氏が数理モデルを構築するために対象としたのは「男性」です。

というのも、男性は女性に比べて遥かにオーガズムに達しやすく、絶頂を迎えるまでの性的反応のサイクル単純だからだといいます。

(逆に言うと女性のオーガズムは複雑すぎるため今回は考慮しなかった)

「男性はオーガズムに達するための最適な数理モデルを構築する上で最良の出発点となる」とブリュス氏は話します。

ここでベースとなるのは、1950年代にアメリカの研究者であるマスターズとジョンソンが提唱した「性的反応の4段階」です。

これは人間が性的刺激を受けたときにどんな反応をし、どういう段階を追ってオーガズムに達するかを示したものです。

それによると男女の性的反応は以下の4段階に分けられます。

1:性的興奮を感じ始める「興奮期」:Excitement

2:興奮が一定の水準まで高まった「高原(平坦)期」:Plateau

3:興奮が絶頂に達して強い快感を伴う「オーガズム期」:Orgasm

4:絶頂が終わり、興奮が徐々に冷めていく「消退(回復)期」:Resolution

ブリュス氏とクリチコ氏は、過去数十年に及ぶデータからこの男性の性的興奮サイクルの4つの段階を分析することで数理モデルを開発することを目指しました。

参照したデータは、マスターズ・ジョンソンによる1966年の研究(600名以上の男女が実験室内で行った約1万件の性行為のデータ)や、2006年にオランダで実施された同様の研究です。

ここでは、研究に同意した男女をfMRI装置に入れて性行為をしてもらい、オーガズムに達するまでの神経学的な変化をモニタリングしています。

また両氏は、オーガズムに達するために必要な生理的および心理的な要因を含めた既存データも調査しました。

そして、これらのデータをもとにスポーツのパフォーマンス分析に用いられる数学的手法を用いて、2種類の数理モデル(心理的な側面と生理学的な側面を扱うもの)を作り出しています。

その一部が以下の画像ですが、かなり高度な数学を使っているので、私たちのほとんどは何を書いているのかさっぱりでしょう。

しかし、そこから導き出された男性へのアドバイスは誰でも理解できます。

それは両氏いわく「考えすぎるな(Don’t overthink it)」ということです。

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男性がオーガズムに達するのに最適な数理モデルらしいが…

数学モデルから導き出されたこのアドバイスは、具体的にどういうことを意味しているのでしょうか?

具体的にいうと「性行為の序盤に心理的興奮が強すぎると、オーガズムに達する確率が低くなる」とブリュス氏は説明します。

ここで述べられる心理的興奮とは、視覚的、聴覚的、嗅覚的、および思考的な要素で促される性的興奮のことを指します。

「私たちの重要な発見は、性的反応サイクルの初期に心理的刺激や興奮が高かった男性は、その後にオーガズムに達する可能性が阻害されやすくなっていたことでした」

つまり、先の4段階の第1段階にあたる「興奮期」の段階で、すでに心臓をバクバクさせ興奮しすぎていると、心理的な興奮のピークが適切な生理的刺激を受ける前に終わってしまい、結果的にオーガズムを迎えられなくなるというのです。

続く

以下ソース
https://nazology.net/archives/124552