石器時代の狩猟武器「アトラトル」が、先史時代の女性によって発明された可能性が高いとする研究結果が報告された。

 この武器は、女性が男性と同じ力で矢を放つことができる武器で、狩猟採集社会において、「女性も狩猟に参加していた」とする研究を裏付けるものとなるかもしれない。

 実験によると、アトラトルを使うことで、男女の力の差がほとんどなくなることがわかった。つまり、アトラトルは小柄な女性の非力さを補う狩猟道具だったことを示しているという。

 狩猟武器の一種とされる「アトラトル」は手で持って使うタイプの投擲(とうてき)器だ。ダートと呼ばれる軽量の槍に推進力をつけて飛ばすために使用されたもので、単純な構造だが石器時代の狩猟に役立つ高性能な投槍器(または投矢器)だったと考えられている。

 前身である普通の投げ槍よりもアトラトルが採用された理由のひとつは、非力な者をはじめ、さまざまな人間が狩猟で同じような成果をあげることができ、たくさんの人間が狩りに参加しやすくなったことだと推測できる。

 とするなら2023年6月に論文が発表された「先史時代の多くの女性が狩猟に参加していた」という研究結果が信憑性を帯びてくる。

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アトラトルの使用法を示したイラスト図 / image credit:WIKI commons

 この仮説を検証するために、米オハイオ州、ケント州立大学人類学部の考古学者、ミシェル・ベッバー氏が率いる研究グループは、108人の学生と地元住民に、普通の槍とアトラトルで10回づつダート(槍)を放ってもらった。

 結果は、普通の槍の場合、男性が毎秒8.1〜16.1メートル、女性が毎秒5.1〜11.5メートルの速度で投げた。

 これが、アトラトルを使うと、男性は毎秒10.1〜24.1メートル、女性は毎秒10.1〜20.1メートルと、男性と女性の差が縮まることがわかった。

この実験結果から、アトラトルを使うと、男女差がほとんどなくなることがわかります。
従って遠い過去のある時点で、道具を普通の投げ槍からアトラトルに移行したことによって、女性など、より多様な人間が狩猟に参加することができるようになり、労働を分業するのではなく、統合することが可能になったと思われます(ミシェル・ベッバー氏)

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アトラトルでダートを放つ実験 / image credit:Metin I. Eren

 ミシェル・ベッバー氏は、この野外実験について説明している。

アトラトルは、力だけで飛ばそうとするとうまくいかないのです。単純なテコとして機能するため、「男性の筋力の強さ」は、それほど大きな利点にはならないということです

 事実野外実験で、男性の一部は、アトラトルを使うと、ダートを発射する際に力の入れ方がわからず、速度をだせないことが多かったそうだ。

 「アトラトルの女性への有利性を考慮するなら、アトラトルを発明したのは女性の可能性があります」とベッバー氏は言う。

 とするならば、当時の狩猟採集社会で、獲物を求めて出かけていったのは、男性だけではないことを示している。

かつては、男性だけが狩りに出ていたと思われていましたが、様々な研究から、そうではないという事実が明らかになってきています。
もっとも重要なことは、考古学、民族誌学、現代の実験という異なる分野の間で、女性が大小さまざまな獲物を狩る狩猟において、積極的かつ成功したハンターだった可能性が高いという認識がますます高まってきているのは確かなようです(ベッバー氏)

 この研究は、『Scientific Reports』誌(2023年8月16日付)に掲載されている。

以下ソース
https://karapaia.com/archives/52325057.html

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