「全裸の民」が「着衣の民」に怒り心頭だ。英紙「Daily Star」などが報じたところによると、スペインのヌーディストビーチ利用者たちが「テキスタイル(服を着る人々)」によるマナーの悪化を訴え、政府にチン……陳情を出しているという。

 スペインはヌーディストに対して世界一寛容な国といわれている。スペインの法律では、国内におけるすべての海水浴場でヌーディストが認められているほか、2020年にはさらなる法改正があり、女性が公共のプールでトップレスになることが合法となった。女性のトップレスを妨害した場合、罰金が課せられることもあるという。

 そんなスペインだが、近年はヌーディスト専用のビーチにも着衣の観光客が押し寄せるようになり、“聖域”が侵されているのだという。ヌーディストたちによると「こちらがルールに則って全裸になると、服を着た人々が露骨に嫌そうな顔をしたり、汚いものを見るような目で見てくる」とのことだ。確かにヌーディスト専用のビーチであるならば、この場合は服を着ている人々の方がマナー違反になる。

 たとえば、ラコ・デル・コニルというビーチは、かつて地元のヌーディストたちが利用する静かで小規模な”楽園”だった。しかし、あるネットユーザーは「いまや、利用客の90%が文化を尊重しないテキスタイルたちだ」と憤る。

「ペット連れ、酔っ払い、サーファーたちが全てを侵略してしまい、普通に泳ぐことすら難しい状況だ。しかも、奴らときたら、大音量で音楽を流すもんだからたまらんよ」

 別のネットユーザーも「このビーチはヌーディストたちにとって珠玉の場所だった。誰もが文化を尊重し、清潔感もあった」と同調する。

「今やヌーディストたちは全体の2%程度で居心地が悪い。かつての静かなビーチは失われた。犬を連れてきたり、音楽を流しながらタオルを振り回したり、色んな奴らがいるけど中でも最悪なのは、写真を撮りまくる奴らだ」

「カタロニア全裸主義者の会」を率いるセジモン・ロヴィーラさんはこう訴える。

「我々は場所をわきまえて全裸になっているし、裸を不愉快と思う人々の前で露出したくもない。だが、観光客たちも自分たちの行き先がどういう場所か自覚し、その場に溶け込む努力をするべき。そして、そこがヌーディストビーチであるならば、試しに一度脱いでみるべきだ」(同)

 郷に入っては郷に従え、というわけだ。ヌーディストたちは現在、地元政府に「ヌーディストゾーンを示すわかりやすい看板の設置」「観光客への注意喚起」「係員の常駐」を求めている。

 スペインでは最近「街中での露出行為で罰金刑を受けた男が、ヌーディストとしての矜持を貫くため公判に全裸で現れる事件も起こったほど、ヌーディズムが文化として根づいている。高級レストランにドレスコードがあるように、ヌーディストビーチを訪れる際は全裸を心がけよう。

文=ゼロ次郎

以下ソース
https://tocana.jp/2023/08/post_255307_entry.html

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