自分を傷つける記憶はいりません。

米国のシカゴ大学(UChicago)で行われた研究により、免疫の特定の記憶を消去して、免疫からの攻撃を行わせなくする「逆ワクチン」が開発されました。

普通のワクチンは免疫システムに病原体の記憶を与えることで、本当の感染が起きた時に迅速な対応を引き出すために使用されますが、逆ワクチンは既にある免疫記憶を消すことを目的としています。

リュウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患は、免疫が自分の細胞を「敵」と誤認してしまうことが原因なため、逆ワクチンを使って誤った「敵認定」の記憶を消すことができれば、治療することも可能になります。

しかし一度記憶された免疫記憶を、逆ワクチンはどんな仕組みで消しているのでしょうか?

結論から言えば、逆ワクチンは私たちの体に元から備えられた「免疫寛容」の仕組みを利用しているのです。

研究内容の詳細は2023年9月7日に『Nature Biomedical Engineering』にて掲載されました。

普通のワクチンの目的は免疫システムに敵の存在を前もって記憶させることを目的としています。

ワクチンには病原体の情報や体の一部が含まれており、免疫システムに異物として認識されるようになっています。

しかし新しい「逆ワクチン」は普通のワクチンとは反対の機能があり、免疫システムの特定の記憶を消去することを目的に投与されます。

免疫の記憶を消すというと、逆ワクチンがまるで毒のように思えるかもしれませんが、免疫記憶の中には消した方がいいものも数多く存在します。

その主な対象は自己免疫疾患を起こす誤った記憶です。

私たちの体の免疫システムは記憶された異物に素早く対応するように設計されていますが、ときに誤作動を起こし、自分自身の健康な細胞を敵として記憶してしまいます。

たとえばリュウマチの場合、免疫システムが関節の軟骨や骨を誤って敵認定したことが原因であり、正常な関節や骨を破壊してしまいます。

また多発性硬化症では免疫システムが神経の保護膜「ミエリン」を敵と誤認して攻撃してしまうことが原因であることがわかっています。

このような疾患に対してこれまでは、免疫システム全体の機能を鈍くする免疫抑制剤が使われてきました。

しかし免疫抑制剤は正常な免疫機能も低下させてしまうため、感染症にかかりやすくなってしまうという、重大な副作用がありました。

そこで近年になり、免疫の誤った「記憶」を削除する方法として「逆ワクチン」が提唱されているのです。

シカゴ大学で行われた新たな研究では、肝臓に存在する免疫寛容の仕組みを利用することで逆ワクチンを開発する方法がとられました。

私たちの免疫システムは体内の異物に対して敵認定を行うように作られていますが、食品や腸内細菌、体内で寿命を迎えたり役目を終えて自死した細胞の欠片、さらに老化細胞など目立った害のない異物は、敵認定を防ぐ仕組みが存在します。

この仕組みは免疫寛容と呼ばれており、主に肝臓において制御されています。

肝臓では免疫によって誤って敵認定されている分子について、免疫システムに対して「敵ではないから許してやれ(寛容)」という教育が行われています。

例えるなら、免疫システムが逮捕し「敵認定」しようとしている分子に対して、肝臓は容疑の記録を削除している状態と言えるでしょう。

そこでシカゴ大学の研究者たちは、肝臓で行われている免疫寛容の仕組みを模倣することができれば、誤った記憶を削除して免疫の寛容を勝ち取ることができると考えました。

その方法として研究者たちが着目したのが、老化細胞に対する免疫寛容でした。

続く

以下ソース
https://nazology.net/archives/134013

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