全国統一教会被害対策弁護団の阿部克臣弁護士は7日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長の会見内容について言及した。

 田中氏は都内で会見した際、高額な献金問題に関し「心からおわびします」と謝罪。被害を訴える元信者やその家族たちの補償に必要な原資として、最大で100億円を国に預ける意向を示した。

 阿部氏は国会内で開かれた立憲民主党「第61回統一教会ヒアリング」に出席。田中氏の会見を見た感想について「被害者に対して真摯に向き合う姿勢が見えない、教団の責任を認める姿勢が見えない。被害者に対して謝罪はしないという残念な会見だったというふうに思います」とした。

 教団が将来の被害補償に備え、60億〜100億円を拠出して国に供託する考えを示した内容には「『不安を訴える人のために』という話ではありましたが、それも非常にピントがずれて、方向がズレている対応だった。被害者のことを思うのであれば、被害者に対応するべきです」と指摘した。

 現在、旧統一教会被害者の状況についてはこう明かした。

「全国被害対策弁護団ができまして40億円、124名の報奨をしています。それに対して本日の会見では、あたかも自分たち(旧統一教会)は誠実に対応しているけれど、弁護団が誠実に対応していないような言い方をしていた。それは事実と異なっていて、我々弁護団は今年2月の第一回の集団申し入れの時から一貫して、統一教会側と会って弁護士同士で話し合いをしましょうと繰り返し求めている。教団側の対応は『面談は世間やマスコミに向けたパフォーマンスにならない』と拒否したり、過去の裁判例にしては『本件と無関係である』という回答を平気で書いてきています」

 立憲議員からは教団の100億円の拠出金について質問された。

 阿部氏は「100億というのも、どこから出てきた数字なのか。教団側の都合や事情で出てきた数字であって、それを一方的に金額を決めて『ここから被害救済に最終的に当てればいいだろう』という発想自体が非常に身勝手。教団が国に提案するということで、具体的にわからないので、国としても対応の仕様がないと思います。我々は従前から求めていましたけど、適切に財産保全の法整備をしていただいて憲法上の信教の自由との指摘もされていますので、議論はしていただいたその上で、被害救済に結び付く法律を作っていただきたいです」と語った。

以下ソース
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/282099