約6億円もの裏金をつくり、派閥解散に追い込まれた安倍派。さらに自民党執行部は、安倍派の幹部7人を離党させる方針だという。自民党から追放されたら7人は政治生命を失う恐れがある。自民党執行部のこうした動きに「安倍派5人衆」の後ろ盾だった森喜朗元首相はカンカンになっているという。

 大手メディアが「安倍派幹部に離党要求」(読売)、「安倍派幹部に離党論浮上」(日経)と報じた25日、かつて「清和会」(安倍派)の会長だった森喜朗氏は、麻生太郎副総裁の事務所を訪ね、安倍派幹部の処遇について直談判したらしい。

「森元首相は、麻生さんに対して『どういうつもりだ』と抗議したとも、『穏便にお願いしたい』と懇請したとも言われています。森元首相は、可愛がっている5人衆に重い処分が下されることは耐えがたいのでしょう。本来、軽い処分をお願いするなら、自民党副総裁の麻生さんではなく、幹事長の茂木さんです。安倍派幹部の処分を主導しているのも茂木さんですからね。でも、森元首相と茂木さんは関係がよくなく、森元首相は茂木さんに頭を下げたくなかったのではないか。そこで、茂木さんを抑えられる麻生さんに直談判したのでしょう」(自民党関係者)

 しかし、はたして麻生氏が安倍派5人衆の“救済”に積極的に動くのかどうか。5人衆が離党処分となっても、麻生氏はほとんど困らないからだ。むしろ、幹部を失った安倍派が「馬糞の川流れ」のようにバラバラになった方が好都合ということもある。

「いままで森元首相が永田町で影響力を維持してこられたのは、党内最大派閥の安倍派(98人)を抑えてきたからです。岸田首相も森元首相を頼ってきた。しかし、安倍派5人衆が離党処分となったら森元首相の影響力は一気に低下してしまうでしょう。だから、5人衆の離党だけは避けたいはずです。たとえ、いったん派閥が解散しても、5人衆さえ残っていれば、いずれ派閥を復活させられますが、全員、自民党から追放となったら、派閥の復活は難しくなりますからね」(政界関係者)

 自民党内では、安倍派5人衆は「役職停止」といった軽い処分で済ませ、安倍派の座長だった塩谷立氏を「離党」させるというプランが急浮上している。しかし、5人衆が党に残り、森元首相も影響力を維持ーーという結論に国民は納得しないのではないか。

以下ソース
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/335293