【環境】マイバッグ・マイボトルを持っても地球規模の問題には対処できない 気鋭の経済思想家が「SDGsは“大衆のアヘン”」と断じるワケ
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0001逢いみての… ★2024/02/13(火) 22:02:57.33ID:CAP_USER
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 貧困や紛争、気候変動、教育の不平等にジェンダー差別など、世界を取り巻く問題は複雑化している。これらの問題を解決して、地球上の“誰ひとりも取り残さない”ためにできることをしよう──そんな大義を掲げて地球規模で大きなうねりとなっているのがSDGs(持続可能な開発目標)だ。しかしその行動は、果たして本当に世界のためになっているのだろうか。いま注目を集める気鋭の経済思想家・斎藤幸平さんが「SDGsの誤謬」を見抜く。【全3回の第1回】

「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」──これらは17項目からなるSDGsの目標の一部だ。2015年の国連サミットで採択され、経済を持続可能な形で発展させてよりよい世界を実現することを目指している。

 SDGsの前身となるのが、2001年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)。環境の持続可能性の確保や貧困と飢餓の撲滅など8つの目標が掲げられ、2015年に達成期限を迎えた。

 MDGsの成果は一定程度あったものの、気候変動や貧困問題、経済格差の拡大など依然として多くの問題が残されたため、“持続可能な世界”を目標として新たに策定されたのがSDGsである。

 国連でのSDGs採択を受けて、日本政府も国内での目標達成に向けて全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を設置し、2016年には、SDGsの実施指針を作成。これを受けて、各企業も競うようにSDGsに取り組んでいる。

 たとえば飲料メーカーでは、パック飲料のキャップや注ぎ口に再生可能なバイオマスプラスチックを使用し、飲食店においてはプラスチックストローを廃止する流れが一般化された。ホテルのアメニティーグッズも次々と廃止されている。2020年にスタートしたレジ袋有料化で私たちの生活にマイバッグは欠かせないものとなり、マイボトルを利用してゴミを減らし、衣類をリユースするなど、いち消費者としてSDGsを意識している人も増えている。

 こうした動きについて、SDGsを“大衆のアヘン”と強烈な言葉で一蹴するのは、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授の斎藤幸平さんだ。

「個々の取り組みを全否定するわけではありません。とはいえ意味があるかと問われれば、はっきりとないと言えます。個人レベルで、マイバッグを持ち、プラスチック製のストローを使わないようにし、マイボトルを持って、フードロスをなくそうとブロッコリーを芯まで食べても地球規模の問題には対処できません」

 私たちを取り巻く問題は、想像を超えて危機的状況に直面していると続ける。

「環境問題ひとつとっても、昨年は世界の平均気温が観測史上最高を記録し、日常生活でも環境の変化を感じる機会が増えました。温暖化問題に本気で向き合うには、2030年までに温室効果ガスの排出量を約半分に抑えて、2050年には実質ゼロにするなど、極めて短期間で減らさなければいけません。そのためにはいまのやり方はまったく不充分の、やったふり。

 今後、気候変動だけでなく、予測不可能な災害やパンデミック紛争によって、経済格差はもっと広がり貧困問題も深刻化するでしょう。現状のような取り組みでは、“持続可能な社会”の実現は絶望的です」(斎藤さん・以下同)

 わずかな取り組みでも、毎日コツコツと続けていれば地球の未来につながるのではないか。そう私たちが信じて行っていることは、「無意味ばかりか有害である」と斎藤さんは踏み込む。

「SDGsに潜む大きな問題、そして危険性は、SDGsという言葉が独り歩きして“やったつもり”になることです。たとえば、着なくなった服をリサイクルボックスで回収してもらうと環境にいいことをした気持ちになります。“地球にやさしい”“環境保護に貢献している”と満足し、それ以上の行動をとらなくなってしまう。大切なのは不要な消費を控えることなのに、不要になった服をリサイクルしたことで罪悪感が消えて新しい服を買う人は少なくありません。マイバッグも、ひとつあれば充分なのにいくつものバッグをコレクションしている。

 SDGsという甘い言葉に一時の許しを得て、問題の本質から目を背けて解決に逆行する行為を続けてしまう。SDGsはまさに、大衆にとって現代の“アヘン”です」

続く

以下ソース
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0002逢いみての… ★2024/02/13(火) 22:03:11.51ID:CAP_USER
 環境省の調査によると、日本だけで年間約50万t以上の衣類が廃棄され、世界的に目を向けると約9000万tもの廃棄量になっている。分解されないまま海洋を汚染するパッケージ用プラスチックゴミの発生量は全世界で毎年800万tにおよび、日本はアメリカに次いで世界2番目に多い。野生生物は過去60年で約40%も減少し、森林減少のペースは1分間で東京ドーム約2個分と試算されるなど、その規模は危機的な大きさだ。

 それに対峙するための取り組みが、マイバッグ、紙ストローであることに、どれほどの意味があるのかはたしかに疑問符がつく。そのうえ“環境によいことをした気分”に惑わされることで、いまよりも状況を悪化させていく。

「肌触りのよいコットンの洋服を大量生産するために、どれだけのインドの人々が安い労働力として過酷な労働条件で綿花栽培をしているか。東南アジアのパーム油やブラジルの牛肉のために、どれだけの森林が伐採されているのか。

 先進国における“便利で豊かな生活”“安くて質のいい商品の提供”のために、途上国では低賃金で労働力が搾取され、手つかずの自然環境が破壊されていることにも想像を巡らせる人があまりにも少ないことが問題です」

 最近は、社会にあふれるエシカル(人や社会、地球環境に配慮した倫理的に正しい消費行動)な情報に、“SDGs疲れ”を感じる人も増えている。実際、昨年オズマピーアールとオルタナ総研が実施したSDGsに対する生活者意識調査によれば、企業が発信するSDGsに関する情報に対して「企業が発信する情報が多く、飽きや疲れを感じる」と答えた人は6割強におよんだ。私たちはもはや、“やったつもり”の行動にすら、倦んでいるといえるだろう。
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