0001逢いみての… ★
2024/02/23(金) 22:59:25.15ID:CAP_USER山花さんは、今はおもに同人活動を生業としており、YouTubeにチャンネルを開設したのも個展開催などを告知するため。だが、同じ漫画家として「無視できない」と、2月3日に事件に関する投稿をしたところ、2日間で6万も再生(23日時点で68000回)された。山花さんは当時の心境を語る。
「僕のYouTubeなんて登録者数も200人(現在は約1300人)、再生回数も100いけばいいほうでした。そんなときにたまたま事件が起きてしまった。それなりのキャリアを重ねてきたベテランとして、当初はやむを得ず発言したわけです。そして、3日の投稿には200もコメントがつきました。みなさん憤ったり、悲しんだり、やり場のない感じが伝わってきた。自分もそうなんです」
「モヤモヤした感覚」を視聴者と共有したく、7日〜9日に連日投稿を続けたが、以降はしばらく控えていた。山花さんはほかのYouTuberのように反射的にコメントを出すわけではない。熟慮を重ねて言葉を放つので重みがある。
次の投稿は21日だった。そこで山花さんは的確な比喩を用い、芦原さんの立場に同情を寄せた。それはこんな表現だった。
《セスナを運転してサンフランシスコまで飛ぶつもりが、テレビ局に気に入られ、巨大旅客機を用意され、目的地もロスアンジェルスに変えられていた。(作品という)エンジンを作ったのは芦原さんなのに、握っていた操縦桿を手放さざるを得なかった》
山花さんは『セクシー田中さん』の原作をしっかり読み込んでいる。動画でも度々、作中で印象に残った台詞を読み上げるため、説得力がいや増しになる。自死に向かった芦原さんの心中を代弁するような台詞もそこにあった。
《人は感情を取り上げられると、どこか壊れてゆくものよ》
ドラマ化の際に“操縦桿”を奪われ、空虚さを抱えていた芦原さんは、平生の漫画入稿作業の合間にドラマの脚本チェックや自身によるプロットや脚本執筆もせねばならなかった。心身とも疲弊し、感情を蝕まれていたのだろう。
山花さんは9日の投稿でも、原作の版元の小学館やドラマ制作に当たった日本テレビが説明責任を果たさず、いまだ《真相は闇の中にある》と、旅客機に付き物のブラックボックスを喩えに出した。山花さんは、その言葉に託した思いをまなじりを決して語った。
「『セクシー田中さん』ドラマ版というブラックボックスに招待されたら、半年の間に何かがあって、蓋を開けたら、いちばん大切にされなければならない作者である、芦原先生が死んでしまった。そのブラックボックスの中身をみんなが知りたいはずです」
山花さんも自作がテレビアニメ化された経験を持つ。《映像化は作家にとっても名誉なこと》と、7日の動画でも語っていたが、当時の事情をあらためて振り返る。
「初めにOVA(ソフト化アニメ)が3本、時間とお金をかけて作ってもらえました。ドラマCD化(音声ドラマ)もされ、次に(TBS系『ワンダフル』内での)テレビ放映が決まり、それは嬉しかったですよ。ただ、ドラマCD版では脚本家さんがずいぶん遊び心を入れてくださった。これが気に食わなくて、自分で書き直したりしましたが、原作を読めばいいじゃん、という内容になってしまいました(笑)。OVAも1話、2話と脚本に手を加えさせてもらいましたが、3話めともなると、疲れてしまってどうでもよくなってくるんですよ。畑違いで手に負えない」
同じ後悔を芦原さんもどこかで感じたのだろう。それでも作品を守りたく、無理を貫いてしまったのか……。
続く
以下ソース
https://smart-flash.jp/entame/274944/1/1/