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 3日、小倉競馬場の1Rに行われた3歳未勝利(芝1200m)は、14番人気の穴馬ラブカムーン(牝3歳、栗東・千田輝彦厩舎)と永島まなみ騎手のコンビが優勝した。

 同馬はデビューからここまで2戦するも、ともに勝ち馬から2秒以上離された二桁着順に大敗。特に前走は最後の直線で失速しシンガリ負けを喫していたことから、今回は単勝115.6倍という超人気薄だったことも無理はない。

 この日は最内枠からやや出負け気味のスタートを切ると、道中は後方のインコースを追走。稍重のコンディションで行われたこともあり、4コーナーでは各馬が荒れた内を避けて外々を回る中、永島騎手とラブカムーンは渋った馬場も苦にせずスルスルとインコースから進出して行く。

 直線に向くとほぼ同時に先頭に躍り出たラブカムーンは、馬場の中ほどに持ち出して追われると、そのまま後続に1馬身差をつけて押し切った。

「ラブカムーンは前2走で見せ場なく敗れており、ここも厳しいと思いましたがこれは驚きました。初のスプリント戦も向いたのでしょうが、なによりこのレースに関しては永島騎手の巧みな立ち回りが光りましたね。

特に4コーナーから直線入り口にかけての進路取りは、個人的には皐月賞(G1)を勝ったゴールドシップのレースも思い出しましたよ」(競馬誌ライター)

 ライターが例に挙げた2012年の皐月賞を覚えているファンも多いだろう。後にG1・6勝を挙げる名馬ゴールドシップはこのレースで最後方を追走。稍重の荒れた馬場を避けて各馬が4コーナーで外を回す中、ゴールドシップと鞍上の内田博幸騎手はインを突き、最後の直線に向くといきなり先頭に“出現”。まるでワープしたかのようなレースぶりで勝ち切った。

 今回の永島騎手とラブカムーンの競馬ぶりにゴールドシップのそれを重ね合わせたファンは他にもいたようで、レース後にはSNSやネット掲示板に「まなみんゴルシワープ決めたな」「内田騎手を彷彿とさせる神騎乗」「まさかこの馬を持ってくるとは」「ナイスなコース取りでした」「瞬間移動で単勝万馬券とか凄すぎるわ」など絶賛の声が寄せられていた。

「前日には、永島騎手が主戦を務めながら武豊騎手に乗り替わったスウィープフィートがチューリップ賞(G2)を勝利。デビュー戦からコンビを組み続け、昨年の阪神ジュベナイルF(G1)で自身の憧れの舞台であったG1初騎乗も果たしたかけがえのない1頭でしたが、前走のエルフィンS(L)で2着に敗れ賞金加算を逃していました。

そんなスウィープフィートが重賞を勝ったことで、何かしら思うところもあったかもしれません。ただすぐに超人気薄とのコンビで大仕事をやってのけ、自身の存在感もしっかりアピールしたあたりは流石だったのではないでしょうか」(同)

 ラブカムーンを初勝利に導くとともに、単勝万馬券の大波乱を演出した永島騎手はレース後、「内枠でしたしロスのない立ち回りをしましたが、荒れた馬場もしっかりと走れていましたね」と“してやったり”のコメントを残している。

 今回は評価を落としていたラブカムーンだが、実は母がオークス(G1)3着のラブカーナという血統馬でもある。今後も永島騎手と短いところで面白いコンビとなるかもしれない。

以下ソース
https://g-journal.jp/2024/03/post_377336.html