「韓国の出生率が0・72まで落ち込んだ」とのニュースは全世界を駆け巡った。しかし、同時に韓国が「双子大国」である事実は、ほとんど知られていない。韓国の多胎児(双子以上)出生率は2005年には4・0%だったが、年ごとに高まり、15年には6・6%に達した。

現在はどれほどなのか、権威ある確実な統計が見当たらないが、日本の多胎児出生率(1%前後)とは比べようもないレベルだろう。実は双子ラッシュ≠熄ュ子化と表裏一体なのだ。

女性は年齢が上がるにつれ妊娠可能な時期に複数の卵子を放出する可能性が高くなり、多胎児出産の可能性も高まるという。韓国では晩婚化が進んでいる。ただ、平均出産年齢は32歳前後で、ここ10年ほどでわずかに高まった程度だ。

双子ラッシュ≠フ最大の要因は、体外受精の増加だ。

韓国の医療法規では、体外受精させた卵子は3つまで戻せる。出産の成功率を高めるためだが、めでたく出産に至るケースの実に4割前後が多胎児出産なのだ。

では、人工授精でもダメで、体外受精に進む事例がなぜ多いのか。

1つの暗示的な調査がある。

延世(ヨンセ)大学医学部の研究チームが04年、「健康な現役兵士194人(平均22・1歳)」の精子を検査したところ、兵士の44%は「精子が運動能力不足」、つまり卵子までたどり着けないため、受精できないことが分かった(中央日報05年2月25日)。

同じチームは06年、ソウルの大学生102人を対象に精子を検査した。結果はほとんど同じだった(朝鮮日報07年6月19日)。精子の運動能力が不足しているから体外受精なのだ。

専門家は「人間の生殖器系統を主に攻撃する環境ホルモンの影響のため」と見ているそうだが、どんな原因であれ、これは「民族消滅」に関わる重大な問題だ。調査を拡大・継続して、有効な対策を立てなければなるまい。

しかし、これ以降、同種の調査結果の報道を目にしたことがない。私の検索の仕方が悪いのか。いや、「少子化」はますます大問題になっている。この種の調査結果が大きく報道されないはずがない。

調査を止めてしまったのか、それとも発表しないことにしたのか。保育所整備や育児休暇の拡充に予算を注ぎ込むより、精子の運動能力を回復させる対策の方が先だろうに。

以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/article/20240307-A2KPFP4JABNFFEI3AT3N3OLCAM/