霜月さんはXで概ね次のように述べている。

・飲み会のメンバーはたむら氏ではなく自分が誘い、事前に松本さんとの飲み会と聞いていた
・飲み会で、携帯電話の没収や利用禁止とは言われていない
・「たむけんタイム」(注:たむら氏がリードして性的な雰囲気を高める時間帯のこと)なんてなかった

ところが、霜月さんの飲み会についての週刊文春2月15日号のJ子さん証言は、こうなっている。

・「相手が松本さんとは知らされず、飲み会の場所も教えてくれない」と証言している。一方で霜月さんは、松本さんとの飲み会だと「自分は聞いた」とは証言しているが、それを「他のメンバーに教えた」とまでは証言していない
・スマホを手に取ったらたむら氏から「自撮りもあかんで!」と忠告され、スマホを触ってはいけない「雰囲気」になったとは証言しているが、「携帯没収」や「利用禁止」とまでは書かれていない
・そして、J子さんは、「たむけんタイム」について、一言も証言していない。

霜月さんの証言はJ子さんの証言と、事実関係はほぼ矛盾していない。むしろその信用性を補強する可能性もある。二人が大きく違っている点は、この飲み会が楽しかったかどうかという「個人の感想」なのだ。

J子さんは「11人目」の証言者なので他の証言とつい混同しがちだが、一人ひとりの証言と照らしあわさなければ霜月さんの証言の価値は判断できない。

だから、冷静になる必要がある。

ただ霜月さんの証言が松本氏裁判に全く影響しないのかというと、そうは思わない。霜月さんが声を上げたことに勇気をもらって今後「文春記事は違う」と訴える人が増えたり、問題の第一弾の記事に関係してきたら、裁判は大きく動く。そうなったら、最初に声を上げた霜月さんはまさに松本氏の「救世主」だろう。

この裁判の行方は、問題の記事に少しでも近い証言を、どちらがどれだけ得られるかによって決まるのだと思う。

そのために必要なのは、女性や関係者にこれまでどれだけ真摯に接してきたか、そして様々な情報をどれだけ冷静にとらえられるかに尽きると思う。注目の裁判は3月28日に始まる。