グランシールド社では、顧客に販売した社債額の2割が担当者に支払われたという。秋元容疑者の顧客のひとりは、その営業手法をこう明かす。

「最初は中村容疑者から彼女を紹介されましたが、おっとりした優しい感じの印象。ホームパーティーにも招かれました。友人のような雰囲気を作るのがうまく、『顧客とは一生のつき合いをしたい』とよく話していました」

 佐武容疑者は対照的だ。

「自分も投資で儲かっていることを強調し、『決断するときが成功するとき』を決めゼリフにしていました。胸元が開いたドレス姿で、顧客と連日、飲み歩いていましたし、“枕営業”をしていることも知れ渡っていました。
『性行為を撮らせたのに、200万円分しか買ってくれなかった』と憤慨しているのを聞いた社員もいます」(別のグランシールド社関係者)

 中村容疑者は、自身で獲得したほとんどの顧客の最終契約を秋元容疑者か佐武容疑者にまかせており、相性次第で2人に振り分けていたようだ。

「配当支払いが滞るようになってからも、秋元さんと佐武さんは顧客と頻繁に会っていました。

 中村さんの指示で、顧客引き留めのため“枕営業”に走ったのか、疲れた顔でホテルから出てくる秋元さんの姿が何度か目撃されていました」(同前)

“竜宮城”のように、愛人とカネに囲まれた中村容疑者。だが「逮捕の恐怖からか、この1年で急速に老けた」(元関係者)という――。