肛門病変として重要なのは、何といってもトレポネーマの感染によっておこる梅毒です。トレポネーマはらせん状の細長い菌ですが、梅毒をもった人との性行為(おもに肛門性交)によりトレポネーマが侵入します。
例えば同性愛者が肛門性交した場合、梅毒にかかっている人の陰茎を非感染者の肛門に挿入したとすれば、精液、陰茎粘膜より出たトレポネーマが肛門粘膜、肛門周囲皮膚から侵入し、肛門縁に切れ痔のような硬い腫瘍とさらさらした分泌物を生じます。
これを初期硬結といって、肛門性交後2〜3週間で出現し、第一期梅毒と判定されます。確診は分泌物からトレポネーマを発見することによります。
https://www.matsuda-hp.or.jp/library_detail.php?eid=00024