童貞の染め物職人・久蔵。吉原で高尾太夫の花魁道中を見て一目惚れ。
親方から花魁に会うには最低でも10両、3年分の給料が必要と言われ、がむしゃらに3年働く。
頑張って13両をため、お大尽に変装して高尾太夫に会いに行く。
花魁は初見では煙管を一服して終わり。「今度はいつ来てくんなます。」と聞かれると
「実は自分はただの染め物職人。3年貯金してやっとここに来た。だから次は3年後です。」と泣きながら答えた。
すると高尾太夫は「そんなに私を思ってくれるとは。来年年季が明けるから待っててくれますか。」と言ってくる。
久蔵が夢見心地で吉原から帰ってくると、周りから花魁の言うことなんていちいち真に受けるな、とたしなめられる。
そして年季明けの時期が来た。果たして高尾太夫は来てくれるのか。